当記事は「FINEPLAY」の提供記事です。元記事はこちらから。 皆さん、こんにちは。水野亜彩子です。
前回は自己紹介をさせて頂きましたが、今回は「プロサーファーとして感じた格差」と少しディープなお話をさせて頂きます。
格差と言っても様々なことがありますが、今回は金銭面についてお話しをさせて頂きます。
そもそも、賞金を獲得する競技について
サーフィンをライフスタイルとして楽しまれる方は多くても、競技としてサーフィンを行う方は少なく、競技ルールを知っている方も少ないです。私もサーフィンをされない方に「サーフィンの試合って何を競うの?」と聞かれることはとても多いです。
そんな中で、オリンピック種目としてサーフィンが選ばれ、日本のプロツアーもAbemaTVさんで放送して頂いたりと、少しずつ競技としてのサーフィンの認知度が上がるきっかけとなりました。
きっと長年サーフィンをしている方からすると、まさかサーフィンがオリンピック正式種目になるなんて思っていなかったと思います。
私も、まさかサーフィンがオリンピック種目になるなんて思ってもみなかったし、プロサーファーとして活動していた自分にとってもスポーツと認められた感じがして、すごく明るいニュースでした。
サーフィンの試合は相手も居ますが、自然相手なので自分で乗る波を選ばなくてはいけなかったり、波のコンディション、波が大きかったり、小さかったり、風が強かったりと自然に左右されるので非常にタフな競技なのです。そして、ルールを知るととっても面白い!!!
本当にもっともっと沢山の人にサーフィンの試合の楽しさを知ってもらえたらと考えています。
そんな競技としてのサーフィンの認知度は上がってきているもののまだまだマイナースポーツの部類になります。その一つに金銭事情が挙げられます。というのも、サーフィンだけで生活できているプロサーファーはごくわずかなのです。
プロサーファーの金銭事情
私も、選手時代はバイトを掛け持ちして遠征費やトレーニング費、コーチング費を稼いで試合を回っていました。今となっては良い経験とも思いますが、同時にもっと集中することができていたら・・・。とも思うことがあります。
選手生命は短いし、その短い選手生命の中で成績を残すのであれば、サーフィンだけに集中し、ストイックに過ごすことはとても大事になります。これはサーフィンだけでなく、どのスポーツにも言える事だと思います。
理想と現状の格差
先月、2021年JPSAグランドチャンピオンを獲得した
西慶司郎選手がInstagramに投稿した「プロサーファーの現状」が話題となり、私自身も考えさせられる内容がアップされました。
その内容は、2021年のグランドチャンピオンを獲得した裏側のお話し。
まだ23歳で、一番選手として試合に集中したい年齢。それでも、平日の昼と夜は飲食店でアルバイト、週末はサーフィンスクールをこなしながら、その中でトレーニング、サーフィンの練習を行い、グランドチャンピオンを獲得。オリンピック競技になってもこれが現状という内容でした。
私も同じ経験をしてきましたが、この投稿をアップすることに対しての葛藤もあったと思うし、かなり勇気のいる行動だったと思います。実際彼の投稿にも、この現状を伝えることで今頑張っている未来のプロサーファー達にもがっかりさせると思ったと記載されています。
西慶司郎選手のInstagram投稿
サーファーの社会進出
また「サーフィンしかしてきていないので、大人の社会のことは何も分からない。」とも書かれていましたが、これはサーフィンと真剣に向き合ってきたからこそ知らなくて当たり前だと思います。私も、今こうやってコラムをFINEPLAYで書かせて頂いておりますが私も何も分からず相談したのがきっかけでこのような機会を頂きました。
そうやって考えると、今のサーフィンの現状を知ってもらうこと、そして勇気を出して発信をすること、相談することはとても大事だなと思います。発信しないと、知ってもらえないから。
私自身、どうやったら良い方向に変わるのか、サーフィンしかやってきていないので分からないことだらけですが、この現状を知ってもらいより良い未来になったら良いなと思っています。私にできることをひとつずつ丁寧に行っていきたいと思います。
だって、サーフィンって本当に面白いし、自然と触れ合える魅力的なスポーツだから!
サーフィンの素晴らしさ、そして現状をこれから発信し続けていきたいと思います。