「バッグを毎日替える派」の西口さんを支えるギャルソンのポーチ類
セレクトショップのディレクターが実際に持ち歩く、仕事道具はいったいどんなものだろう?
「日ごとにバッグを持ち替えるので、こまごまとしたものはポーチに収納するようにしています」。
財布やポーチはコム・デ・ギャルソンを愛用。いい意味でクセのない中庸なデザインは、伝統的なテーラードから古着までをジャンルレスで着こなす、西口さんの幅広いスタイリングに対応してくれる懐の深いアイテムだ。
「ギャルソンの財布はかれこれ5年ぐらい同じ色のモデルを使っています。長財布も通ってきましたが、使い勝手の良さが気に入ってます。
財布もポーチも定番品として継続展開されているので、使い込んでヘタッてきたら刷新できるのもいいんですよね」。
ノートPCは、J&M デヴィッドソンのクラッチバッグに収納。社内での会議や打ち合わせであれば、このクラッチを持って移動することも。
「洋服屋として絶対に外せない必需品が、このメジャーですね。商品を企画する際に、具体的な数字でお願いできないと話が進みません」。
それからもうひとつ、長く愛用している仕事道具がある。
名刺入れとペンケースは「エルメス」を愛用。
「業界の先輩から受け継いでいる風習のようなものなのですが、『ペンはいいものを使え』と。
スターリングシルバーのペンは英国のヤード・オ・レッドで、ビームスの社員になったときに記念として入手したもの。
店頭で、高価なお買い物をしてくださったお客様にサインなどのやりとりをお願いする際、ちゃんとしたペンをお貸しできないと店頭での体験にミソがついてしまいますよね。
スターリングシルバーのペンは、十数年を経た現在も健在だ。
オレンジの柄のはデルタのペンです。イタリアのメーカーなので、イタリア人と商談する際にこれを取り出すと『いいボールペン持っているな』と会話のきっかけになるんですよ」。
「自分にとって、
バッグは単なる道具ではなく、ファッションアイテムのひとつ。ファッションはライフスタイルと切り離せないので、自然と日々のライフスタイルを反映したバッグ選びになります。同じコーディネイトを続けないのと同様に、バッグも毎日持ち替えたいんです」と語る西口さん。
ファッションアディクトの名に恥じないバッグ選びのスタンスだが、現実問題、毎日バッグを替えるとなると、忘れ物の心配が出てきそうなものだが……
「自宅での仕事道具の定位置を決めておらず、基本的にカバンの中に入れっぱなしにしています。それで、朝、家を出る前に中身ごとまるっと入れ替えるんですよ。これなら、日ごとにバッグを替えても大丈夫です」。
ならではの道具選びのセンスが光る、西口さんの仕事バッグの中身。
仕事のスタイルが多様化してきた今こそ、その日のスタイルに合わせてバッグを持ち替える術、真似してみるのも一興だ。