OCEANS

SHARE

最新の安全性能を携えて新世代ネイキッドの顔に

「4気筒エンジンを積んだ普通自動二輪車免許で乗れるバイク」というのは、非常に魅力的ではあったものの、大型の750ccバイクと生産コストがほぼ変わらない、などといった採算上の理由から、「CB400 FOUR」は登場からわずか3年で生産終了に。

時を経て、’92年に登場したのが初代「CB400SF」だ。

当時としては個性的だったフォルムに最新の機能を融合させた新しいネイキッド・ロードスポーツバイクとして登場した「CB400SF」。©︎Honda

当時としては個性的だったフォルムに最新の機能を融合させた新しいネイキッド・ロードスポーツバイクとして登場した「CB400SF」。©︎Honda


滑らかな曲線と面で構成されたボリュームのあるタンク形状や跳ね上がり気味のリアカウルからなるワイルドなデザインは、それ以前のネイキッドバイクのイメージを覆すような力強さを放っている。

エンジンは“4 in 1”の水冷直列4気筒。前述の「CB400 FOUR」同様、低・中回転域で走らせる普段使いでは扱いやすく、高速道路などの走行に必要な高回転域でも力強い走り味を実現。

それにより、「質実剛健で使い勝手良し」というパブリックイメージは、これ以降確固たるものとなった。

バイク乗りならご存知の通り、教習車としても広く採用されるようになったことで、免許取得後の最初の1台として選択した人も多いのではないだろうか。

新世代のロードスポーツバイクとしてカラーイメージも一新した「CB400SF」。©︎Honda

新世代のロードスポーツバイクとしてカラーイメージも一新した「CB400SF」。©︎Honda


その後’99年にフルモデルチェンジを敢行。これが写真の現行最新「CB400SF」である。

ワイルドなルックスはそのまま、 ホンダ独自のバルブ制御システムであるVTEC技術をさらに進化させた「ハイパーVTEC」にエンジン機構をアップデート。

気筒あたりの作動バルブ数を低回転では2バルブ、高回転では4バルブとすることで、各走行シーンに最適なエンジンの出力特性を実現。燃料効率など機能面での向上が図られた。

またフレーム設計も見直され、従来モデルから定評のあったシャープなハンドリングをさらにブラッシュアップ。

完成度極まる希代のロングセラーバイクとして、現在まで広く親しまれることとなったわけである。

高速走行を快適にするハーフカウルを搭載したモデルとして2005年に登場した「CB400SF ボルドール」。©︎Honda

高速走行を快適にするハーフカウルを搭載したモデルとして2005年に登場した「CB400SF ボルドール」。©︎Honda


排ガス規制が地球環境にとって大切な問題なのは百も承知。そうは言っても、憧れでもあり定番中の定番でもあった「CB400SF」が姿を消してしまうのは、この上なく寂しいものだ。

外山壮一=文

SHARE

次の記事を読み込んでいます。