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2022.07.05

ファッション

まもなく完売!?「パタゴニア」バギーズが進化した!歴史とともに振り返るその凄み



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パタゴニアの店頭で輝かしいオーラを放つバギーズショーツ。毎年、夏本番前に売り切れることもある定番&人気商品が、今年は大きな変化を遂げた。

一見、これまでのバギーズと見た目は何も変わらない。しかし素材には、南米沿岸部の漁師が廃棄した漁網を回収してリサイクルし、海洋プラスチック汚染の削減に貢献する“ネットプラス・ポストコンシューマーリサイクル・ナイロン”を100%使用している。

この革命的なバギーズの誕生に、パタゴニア社内も湧き立っているようだ。

“漁網100%”は何がスゴいのか?



「パタゴニアでいちばんの人気アイテムが、漁網100%のリサイクルナイロンに置き換わったことは、社内でもビッグニュースなんですよ」(マーケティング部 加藤 学さん)。

廃棄漁網と言えば、海洋環境の天敵である「ゴーストギア」と呼ばれ、海洋生物の命を脅かす存在のひとつ。ウミガメが海を漂う漁網に絡まった写真に、見覚えがある方も多いだろう。

「漁網が海に廃棄されて浮遊し続けると、魚やウミガメが絡まり命を落としたり、太陽の紫外線で劣化した漁網を魚が食べたりして、結果、その魚を口にする人間の体内にマイクロプラスチックとして取り込まれてしまいます」。



その対策として、パタゴニアは漁網をリサイクルしたナイロンの開発に取り組み、10年近い月日をかけて、ようやく安定供給ができるようになった。

2022年春夏アイテムだけで、358トンもの漁網を衣類に再生させたという。

生き物の命を脅かす環境ゴミを、ブランドの世界的人気商品に作り変えたことは、まさにファッション、アウトドアウェア史に残る快挙と言っても過言ではない。


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