「Camp Gear Note」とは…… 料理や焚き火のスキルと並び、アウトドアで役立つ技術の筆頭がロープワークだ。
数ある結び方の中でも、使い勝手の良さと用途の多さからキングオブノット(結びの王様)と呼ばれている「もやい結び」は、ぜひマスターしておきたい。
天気が悪くてどうにもならないモヤモヤは、自宅で遊びながらできるアウトドアスキルの習得にぶつけてみよう!
▶︎この記事の画像ギャラリーを見る 船乗りに愛される安心と信頼の結び方
構造は案外シンプル。引っ張っても大きさの変わらない輪っかができることも特徴。
もやい結びは本来、船を係留するための結び方としてよく使われてきた。
名称は、船を繋ぐことを示す言葉「舫う(もやう)」に由来する。波止場のボラード(ついつい足を乗せて遠くを眺めたくなる鉄の杭)に、船のロープを巻くときのやり方である。
あれって適当に巻いてあるようだけれど、実は船乗りは皆、この「もやい結び」を使って結んでいる。
なぜなら、船を係留できるほど引っ張られる力に強く、素早く結べるうえに、大きな荷重がかかった後も解きやすいからだ。
そんな特徴を活かし、海だけでなく、重たいものを吊るす作業現場などにも多用されている。
ロープの付いていないタープやテントの設営前には必須のスキル。
そんなもやい結びは、キャンプでもさまざまなシーンで応用できる。例えば、タープやテントの本体に細引き(ロープ)を結ぶ場面。
ロープワークを駆使すれば、タープ1枚でいろいろな張り方ができるようになる。
固結びでは解きづらいし、蝶結びでは輪が縮んでしまったり、解けやすかったりする。そんなとき、素早く結べて引っ張りにも強い、もやい結びが便利だ。
先端を強く引っ張られても大きさが変わらない輪が作れるので、杭やペグに引っ掛けたりする使い方もある。タープポールにかける張り綱の輪を作るときは、まさにもやい結びの出番。
写真の棒をタープポールの先端と考えてもらうと、使用シーンがイメージしやすいはずだ。
ただのロープがギアハンガーに早変り!
また、ひとつのロープに輪をいくつか作って張れば、ギアハンガーにもなるなど、アイデア次第でいろいろと応用できる。
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