選択肢が豊富な半面、玉石混交といっても差し支えないアイウェア。
ただし、そこにアイウェアの歴史を感じるディテールがあると、デザインがユニークとなり、それを知れば所有欲まで湧いてくる。
そんなサンプリングの実例を、アイウェアの歴史を熟知する識者に教えてもらった。
「語れる」ものと出会うことの有意義さを改めて感じられるだろう。
| 歴史を語ってくれたのは グローブスペックス 代表 岡田哲哉さん Age 62 銀行を退職後、アイウェアの大手販売店を経て「グローブスペックス」を開業。国内外のブランドと密接につながり、「ルノア」の創業者ゲルノット・リンドナーら重鎮たちから薫陶を受ける。知識量、センスともに業界随一。世界一のメガネ店として「Bestore Award」を2年連続受賞している。 |
新素材が可能にした「1920年代」の刷新
3万6300円/グローブスペックス エージェント 03-5459-8326
[NEW ARRIVAL]
オールドジョー グローブスペックス オプティカル コーの「フィッツジェラルド」「ヴィンテージはフレームの上部に細いブリッジが付いていますが、通常はハイブリッジにするほど長さが必要で、細いと不安定になります」(岡田さん)。
その弱点を克服したのがこちらの新作。
サングラス3万6300円/グローブスペックス エージェント 03-5459-8326、シャツ2万9700円/アナザー アスペクト(メイデン・カンパニー 03-5410-9777)、Tシャツ6490円/モクティ(ユナイト ナイン 03-5464-9976)、デニム1万3200円/リーバイス(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)、ヴィンテージの腕時計30万5800円/江口洋品店・江口時計店 0422-27-2900、バッグ8690円/エル・エル・ビーン 0422-79-9131
「高密度アセテートという頑丈な新素材が開発されたことで、メタルを使わなくても細いブリッジを表現することができるようになりました。
これまでのアセテートではこの細さのブリッジは実現不可能。アイウェアも地道に進化を遂げているからこそ、こういった面白いものが作れるんです。
ヴィンテージ的な角の丸みもうまく表現できたと思います」。
101万2000円/グローブスペックス ストア 03-5459-8377
[1920s VINTAGE]
ザ・スペクタクルの「フルフレーム サイドマウント ミュージアムピース」1920年前後に作られた“金ばり”仕様のメタルフレーム。「今では採算が合いませんが、地金の上に金のシートを巻く金本位制の時代ならではの技法のもの。しかも、鼻あても金ばりで一体化。
ちょうどこの頃に鼻あてが開発され、一山式ブリッジから解放されます」。
ブリッジで遊べるようになり、デザインが多様化するのがこの時代の特徴。
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