OCEANS

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また、背中のカーブが強くなり、頭が前に出てしまうと、ボウリングの球ほどの重さがあるといわれる頭の重さがダイレクトに首や肩、背中の筋肉にかかってしまいます。

首には脳へとつながる神経の束が通っています。ここに負担がかかることは、自律神経の乱れをはじめとするさまざまなトラブルの引き金となりかねません。

そればかりか、ねこ背は心にも大きな影響を与えます。背中を丸くしたねこ背の状態では、前向きなことは考えづらくなります。これを証明する実験をしてみましょう。

立って両手を大きく上げ、思い切りの笑顔で「バンザーイ!」と言ってください。そして、その体勢・笑顔のまま悲しいことを思い出してください。

続いて、今度はその場でしゃがみこみ、ひざを抱えてください。そして、その体勢のまま今までいちばん楽しかったこと・おもしろかったことを思い出してください。

いかがですか? 万歳をしたときは悲しいことは思い出すのが難しく、ひざを抱えた体勢では楽しいことを思い出すのが難しかったのではないでしょうか。

私たちの心は体の状態、姿勢に大きく影響されています。だから、明るく前向きな人生を送りたいと考えているなら、ねこ背になんか、ならないのがいちばんなのです。

あなたの「ねこ背度」は大丈夫?

ねこ背の反対、正しい姿勢とはどんなものかわかりますか。

たぶん、「胸を張って背筋を伸ばし、ひざに力を入れてまっすぐそろえる」といった感じをイメージされる方が多いでしょう。でもこれ、実際にやってみると、実に疲れるのです。疲れる姿勢というのは体に無理がかかります。

本当のよい姿勢とは、自分が最もラクだと感じる位置で立っているときの姿勢です。

まず、鏡の前に横向きで立ってみてください。

よい姿勢のときは、顎が前に出ることはありません。頭の重みが、首や肩にのしかかることなく、すっと骨盤まで落ちています。背筋はゆるやかなカーブを描き、骨盤がきちんと立っているので、おへそがまっすぐ正面を向いています。

肩が内側に入ることなく、かといって後ろに反ることなく、自然に開いています。これがよい姿勢です。コツさえつかめば、これがとてもラクな姿勢であることに気づくはずです。

まずは、今の自分の姿勢を見直すところからはじめてみることをおすすめします。「自分はねこ背だ」という自覚はなくても、「他人から見たらねこ背」の可能性もありますから。


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