姿勢矯正のゴッドハンド、小林篤史先生が語る猫背治療の真実。
前編では猫背の主な原因は骨盤の傾きにあることがわかった。今回は骨盤を整えるストレッチをレクチャー。
1回たった10秒で効くというのだから、多忙なオーシャンズ世代にとってもトライしやすいはずだ!
話を聞いたのはこの人!
正しい動作を実践すれば、たった10秒でも効く!
──小林先生が編み出した骨盤を整えるストレッチですが、1回10秒で効くって本当ですか⁉はい、本当です。ストレッチを正しく行えば、たった1回10秒でも良くなります。ただし、間違ったストレッチはいくらやっても効果はありません。
また、回数を義務的にこなすことにも意味はないと思います。大切なのは意識を集中して、正しい動作を実践すること。
1回10秒かけてじっくり行って、正しい動きを脳にも認知させてください。
毎日、
朝と晩の2回。できれば、日中も加えて3回行うことができれば、すぐに手応えを感じることができるはずです。
骨盤前傾タイプは太ももの前面を狙う
──それでは、まずは前傾タイプの人がやるべきストレッチを教えてください。前編でもお話ししましたが、まずは自分の骨盤が前傾か後傾かを判別しましょう。前傾の人はお尻が出っ張って、腰が反っています。ほかにもお腹が出る、内股気味、太ももの前面の筋肉が硬い、といった特徴があります。
まずは
「太ももの前面伸ばし」です。前傾した骨盤をまっすぐ立てるためには、太ももの前側や側面の太い筋肉のこわばりをほぐす必要があります。
次は
「股関節前面伸ばし」。前傾の人は股関節の周辺も硬くなっているため、縮んでいる大腰筋(背骨から大腿骨の付け根につながる筋肉)を含めて、股関節周辺の筋肉群を伸ばす必要があります。
呼吸は止めないよう注意。
「吸いながら筋肉を曲げて、ゆっくり吐きながら伸ばす」が基本です。
【太もも前面伸ばし】①右足の甲を右手で持つ。
②ふくらはぎが太ももの裏につく程度まで後ろに引き上げて、10秒間キープ。反対側も同様に。
【股関節前面伸ばし】①右膝を床につけ、左足は前方に出して膝を曲げ、左膝の上に両手のひらを重ねてのせる。
②腰を落として体重を前方にかけ、左足の股関節前面の筋肉を伸ばして10秒間キープ。反対側も同様に。
骨盤が後傾している人は太ももの裏側をほぐそう
──次は後傾タイプの人へ向けたストレッチを教えてください。骨盤が後ろに倒れると股関節は前にずれます。するとハムストリングス(太もも裏側の筋肉)がこわばって縮みます。
骨盤が後傾している場合は、
「太もも後面伸ばし」で、こわばった太もも裏面の筋肉を伸ばしてほぐしてあげるのが効果的です。
【太もも後面伸ばし】①イスに浅く座り、右足を前に伸ばす。
②右膝の上に両手を重ねて、膝が伸びるよう圧をかけて10秒間キープ。反対も同様に。
──前傾か後傾かどうかがわからない場合はどうすればいいですか?たしかに鏡や写真を見てもわからないという人はいますね。そうした場合は前傾を治すストレッチと後傾を治すストレッチの両方をやればいいんです。
1回10秒ですから、すべてやってもそれほど時間はかかりません。それに太もも前面の大腿四頭筋や後面のハムストリングスの両方の柔軟性を高めることは、骨盤の傾きを修正するのに役立ちます。
オフィスでもできる猫背改善ストレッチ
これまで前傾と後継の骨盤ストレッチを紹介したが、ここではプラスαで行えるストレッチをご紹介しよう。簡単にできる内容なのでスキマ時間にトライしてみて。
【肩甲骨ストレッチ】①壁と垂直になるように立ち、右の手のひらと前腕をぴったりつける。
②頭を壁と反対側に向けながら、胸を張り、右足を前に踏み出す。左右の肩甲骨を寄せて10秒間キープ。反対側も同様に。
【背骨伸ばし】➀30~50cmほどのスペースを開けて壁に向かって立ち、両手のひらを壁につけて伸ばす。両肘もまっすぐになるよう意識して。
②両手のひらの位置を固定しつつ、胸と壁に押し付けるようにしながら、ゆっくり背骨を伸ばして10秒間キープ。
♢
猫背は見た目だけでなく、肩や首のコリや頭痛、眼精疲労、腰痛、膝痛、便秘といったさまざまな不調の原因にもなる。
骨盤ストレッチを行えば、猫背を改善できるほか、下半身に停滞していた体液や血液が循環するようになるため、体重が減りやすくなる人が多いという。
そんな猫背を1回たった10秒の簡単ストレッチでおさらばできるのだから、やらなければ絶対損じゃないか!
【取材協力】 宮前まちの整骨院 住所:神奈川県川崎市宮前区宮前平3-12-3 B-125 営業:9:00~20:30、水曜9:00〜12:00、14:00〜15:00、土・祝日8:30〜18:00 定休日:第一水曜日午後 www.machino119.com
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押条良太=取材・文