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「最初はお断りしたんですよ」。

「最初はお断りしたんですよ」。


しかし、あまりにも熱意がすごくて、徐々にこういう情熱がある人と仕事をしたいなと思うようになったそうだ。こうして、麻実さんはAuBの社員1号となる。

麻実さんに全幅の信頼を寄せる鈴木さんは言う。

「いいところ、たくさんありますよ。一番感じるのは忍耐力。地道に検体を集める日々で、まだ販売する商品もない時代。普通なら逃げ出すところですが、『何とかなりますよ』と逆に僕が励まされたり」。

一方で、“やらかす“一面もあるという。入社してすぐの頃には後ろから車に轢かれて右手の靭帯を損傷。鈴木さんはお母さんからの電話で知ったそうだ。完全復帰までに1カ月以上もかかった。

事故の2週間後に様子を見に来てくれた後輩と。

事故の2週間後に様子を見に来てくれた後輩と。


ちなみに、現在保有するアスリートの便の検体数は、世界一と自負する約1700。

下の写真はマイナス80度でアスリートから採取した腸内細菌を保管している冷凍庫と代表の鈴木さん。代表の鈴木さんも、時々研究施設を訪問しているようだ。

マイナス80度の冷凍庫で保管されているAuBの宝物。

マイナス80度の冷凍庫で保管されているAuBの宝物。


麻実さんによれば、人間は腸内で1000種類ほどの菌を飼っているという。検出できるのは、そのうちの100種類ぐらいとのこと。

「謎の菌もたくさんあって、うちでは2020年9月に新しいビフィズス菌を発見しました。『AuB-001』と名付けて国際特許も取得しています」。

アスリートで言えば、サッカー、陸上、ラグビー、各選手が持っている菌の構成は異なる。検体数が増えたため、それをAIで分析すれば例えば「このうんちは、サッカー選手」を85%以上の確率で判定することができるそうだ。

創業して最初の研究テーマは「アスリートと一般人における腸内環境の違い」。

創業して最初の研究テーマは「アスリートと一般人における腸内環境の違い」。



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