“永遠の定番から、進化する定番へ”を象徴する「オールスター クップ」。
▶︎この記事の画像ギャラリーを見る コンバースが2018年、あらたなシリーズとして「オールスター クップ」をローンチ、目の肥えた男たちをざわつかせている。
繊細なシボを刻むレザーに、甘いホワイト。好評発売中のカラーがエクリュで、6月にドロップされるカラーがサンドベージュだ。文字どおり砂漠を思わせるサンドベージュはドレッシーなスタイルにも溶け込むだろう。
6月にローンチされるサンドベージュで染めた「オールスター クップ GL OX」。1万5400円/コンバース(コンバース インフォメーション 0120-819-217)
「オールスター クップ」は、ひと言でいえばアメリカンカジュアルの永世定番をドレスシューズと見紛うスペックでアップデートしたシリーズである。
そのひとつがレザーをデフォルトとしたアッパー素材だ。上述のエクリュやサンドベージュで染め抜かれたのは、グレインレザー。アンニュイなカラーパレットの持ち味を存分に引き出している。
チャールズ・F・ステッドのスエードをまとった「オールスター クップ J エペ スエード OX」。2万7500円/コンバース(コンバース インフォメーション 0120-819-217)
スエードやスムースレザーも逸品揃いだ。
スエードのラインナップにはイギリスの名門老舗、チャールズ・F・ステッドや撥水性に定評のあるウルヴァリン(ピッグスキンスエード)が並ぶ。名は明かしていないが、スムースレザーのクオリティも申し分がない。
アニマル柄のスエードをポイント使いした「オールスター クップ ポイントアニマル OX」。6月発売予定。各1万6500円/コンバース(コンバース インフォメーション 0120-819-217)
ディテールの作り込みがまた、しびれる。
ハトメを排したレースステイ、細身のコットン製シューレース、シュータン&中敷に配したミニマルな箔押しロゴ、 切りっぱなしのスマートなタン、そして“チャックテイラー”を刻印したクラシカルな立体ヒールラベル――。上質なレザー使いと相まって、こよなくドレッシーである。
足を滑り込ませれば包み込むような履き心地に驚くことだろう。インジェクションE.V.A.カップインソール、ウレタンフォームを充填したトップライン&シュータン、ソフトなシンセティックレザー製ライニング、ピッグスキンのタン裏あたりが勘どころだ。
そして「オールスター クップ」のアイコンとなるのがカップソール構造である。業界ではサイドマッケイ、オパンケなどといわれるもので、ドレスシューズでおなじみの底付け製法だ。シリーズ名につけた“クップ”はフランス語で“カップ”の意。このカップソールのことをいっている。
目利きをざわつかせた理由はまだまだある。
オリジンをベースにブラッシュアップしたというラストやソールのトレッド・パターン、デザイン・バリエーションも見どころだ。
ラストは現代の日本人に合うよう、甲の立ち上がりを低く抑えつつ、ウィズを広めにとった。トレッドパターンは踏みつけ部や踵に特徴的なダイヤ状のトレッドを全面にあしらった。
デザインは「オールスター」のそれに倣っているが、タッセルローファーやサイドゴア……といった具合にそのラインナップはバラエティに富んでいる。この春はグルカサンダルやセンタージップが人気を博しているという。
昨年ローンチし、好評を博したグルカサンダルのスエード・バージョン「オールスター クップ グルカサンダル スエード OX」。6月発売予定。1万5400円/コンバース(コンバース インフォメーション 0120-819-217)
「オールスター クップ」はヘリテージへのオマージュとモダナイズがぴたりと合致したシリーズといえる。
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