今こそ評価されるべき多目的車「バネオ」
メルセデス・ベンツ 「バネオ」(2003年10月〜2007年8月)
初代Aクラスをベースに、より荷物を載せられるようにした、いわゆるマルチパーパスビークルがバネオだ。
Aクラスの全高を高くして室内高を上げ、ホイールベースも伸ばして荷室容量と安定性が確保されている。
また後席ドアはAクラスのヒンジタイプではなく、人も荷物も載せやすい両側スライドドアが与えられた。後席が脱着可能なのはAクラス同様だ。
おかげで当時のマルチパーパスビークルの代表格、初代ルノー・カングーと同等のボディサイズとなり、ガチライバルに。
カングーが1.4L×4速ATだったのに対し、バネオは1.9L×5速ATと動力スペック的には上に立った。
さらに内装はメルセデス・ベンツ品質で、当時のこのクラスでエアバッグも標準装備と、一つひとつ見ていけば高クオリティな車だった。
しかし品質の高さ=価格の高さで、カングーの車両本体価格が175万円のところ、バネオは320万円(価格はともに当時)。
それもあってか約4年で販売は中止に……。手頃な価格で買える今であれば、十分再評価されておかしくないだろう。
実質初めてのメルセデス品質ミニバン「ビアノ」
メルセデス・ベンツ 「ビアノ」(2003年10月〜2006年10月)
1990年代後半の日本はミニバン天国。ただし国産車が中心で、輸入車ミニバンはなかったのだが、1998年にメルセデス・ベンツが初代Vクラスを投入。
ただし様子見だったのか、ベースのモデルは商用車のヴィトー。品質的にもラグジュアリーなメルセデス品質というより、商用車然としていた。それでもスマッシュヒットを記録。
そこで手応えを得たのか、同社は2003年にこのビアノを送り込んできた。
初代VクラスはFF車だったが、ビアノはほかの同社サルーンと同じくFR。また日本仕様は初代Vクラスの6人乗り(2+2+2)から7人乗り(2+2+3)となった。
写真は欧州仕様。日本仕様は3列目に2脚ではなく3脚並ぶ。
2列目と3列目は取り外し可能で、2列目を後ろに向けることもできる(走行時はNG)。また3列目シートの後ろを伸ばしてより荷物を載せられるロングバージョンも用意されていた。
結局2006年11月に名称がVクラスに戻ったが、セールスとしては成功だったようで、今日のVクラスの活躍に繋がっている。