藤代冥砂さんの生き方のコツは「人生を棒に振る」こと
NICOさん(左)と、藤代冥砂さん(右)は、このトークセッションがなんと20年ぶりの再会になるそうで、「NICOさんがロケバスのドライバーとして働いていた時代に、1年以上ほぼ毎日行動を共にしてました」(藤代さん)という意外なエピソードも。
沖縄と東京の二拠点を軸に活動を行う写真家の藤代冥砂さんのトークのお題は、「ローカルとクリエイティブ」。
長きにわたり写真家として第一線を走り続ける藤代さんは、仕事選びのポイントを「自分にとってすごく簡単なことをやるのがいちばん良い」とし、「忘れることも大事。どんどん捨てることが多方面への興味の推進力になっているんじゃないか」と自身を分析。
また、「好奇心を保つために“居つかない”ことを信条にしている」「フラフラすることが自分の使命」だとも語った。
2005年に葉山でたまたま面白い物件見つけて直感で都内からの移住を決め、’11年からは沖縄と東京で暮らす藤代さんは、まさにデュアルライフの先駆けとも言える。
「今までの暮らしから離れる不安はなかったんですか」というNICOさんの問いに対し、「失敗しても人生はいくらでもやり直せるから、ネガティブなイメージを先に置かないことが大切。
僕は『人生を棒に振る!』が人生のテーマ。やったことを積み上げなきゃいけないというのは幻想だと思うんですよね。
『人生を棒に振って何が悪い!』と思って生きています(笑)」と、藤代流の軽やかなライフスタイルの神髄を明かした。
“海・畑・食”が密接になった三浦理志さんの暮らし
NICOさん(左)とオーシャンズお馴染みのモデル・三浦理志さん(右)。
藤代さんに続き、「海とウェルビーイング」をテーマに話してくれたのは、サーフィンに畑に料理に、大人の男の“FUN-LIFE”を地で行く三浦理志さん。
20代後半での“ニュージーランド板前修業”の話、本誌の看板連載『ミウラメシ』の誕生秘話など、三浦さんのこれまでの遍歴を振り返りつつ、サーフィン仲間の父親から受け継いだ畑で始めた“サーフ&ノーフ(農夫)”についても詳しく語った。
「最初はジャガイモと玉ねぎの収穫から始まって。試行錯誤しながら夏野菜を植えてはみたものの、ほったらかしにしてたら育たなくて……。
育てるのは本当に難しいけど、上手くいったときは本当に可愛い(笑)。いつか自分でつくった野菜を出す店を開きたいですね」(三浦さん)。
また、イイ波を求めて世界中を旅する三浦さんは、サーフトリップで出合った料理からもインスピレーションを受けているという。
「どこかへ行くたびに『ミウラメシ』のヒントをもらっているので、レシピはどんどん増えていきますね。
旅先で食べた味を思い出しながらつくった料理を、みんなが『美味しい!』と言ってくれるときがいちばんうれしい。
これからもいろいろなところを旅して、サーフィンをしたいし、知らない食とも出合いたい。もちろん畑もね!」と、海や畑から繋がっていくリズムのある暮らしを話してくれた。
藤代さんと三浦さん、2人の話からは、取り巻く環境が短期間で変わっていく今という時代において、自分の軸を持つ大切さや、軽やかに生き抜くコツを教えてもらったように感じる。
そんな気付きや、アート体験を通じてライフスタイルの価値を見出すヒントを与えてくれたこのフェスが末永く続くことを期待したい。
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