王道にして元祖。1969年の創業より、サーフ界に長らく君臨するクイックシルバーが、ヘリテージに敬意を表し、創業時のスタイルを復刻したアイコンモデルが「ザ・オリジナル」。
この魅力について、’90年代より足掛け30年近くサーフィンに触れながら、同時にそのカルチャーにもコミットする、種さんことフリープランナーの種市 暁さんの証言から紐解いていこう。
旧ロゴや白ステッチ。クイックシルバー「ザ・オリジナル」に惹かれる理由
「サーフィンを始めた’90年代初頭から、もちろんその存在感は絶大でしたよ」と開口一番。
10代後半に、友人たちと“海遊びするなら”とノリで始めたサーフィン。当時の種市さんの波乗りの技術はさておいても、行く先々のビーチで、あるいは、サーフショップで、クイックシルバーのロゴを目の当たりにしたという。
「これが、サーフ界の“リーバイス”なんだなと。まさに王道ブランド。それだけに当時、全然波にきちんと乗れていなかった僕らには眩しく見えましたね。
上手くないと着ちゃダメかな? みたいな。だから、当時は正直いうと、少し遠巻きに眺めてました(笑)」。
その後、ビームスに入社すると多忙な業務に追われて、一時サーフィンから離れる時期も。再開したのは、クラシカルなサーフスタイルを知ったことにも起因する。
「20代後半か30代初頭の頃。サーフィンを再開したのは、ビームス時代の同僚がきっかけでした。彼がロングボードを楽しんでいて、その世界観にスタイルを感じたんです。
’90年代当時はメロコアをBGMとしたサーフムービーあたりが主流でしたが、そのときジャズをBGMにしたような大人なノリを知りました。チルな世界観が当時の僕にフィットしたんですよね。そこからまた、自分の中でサーフィンのプレゼンスが高まりました」。
大人になって改め
てサーフィンの奥深い魅力にハマった種市さん。今ではショートやミッドレングスなど、さまざまなスタイルを楽しんでいる。
1969年クイックシルバー創業当時のスタイルを継承するボードショーツ「ザ・オリジナル」もまた、オールドスクールの魅力を知る種市さんの守備範囲に入ってくる。
「白ステッチやざっくりした
質感のナイロン、チェッカー模様など、このようなボードショーツは、クラシカルなサーフスタイルの王道。
こういったディテールが説得力を
持つのは、世界初のボードショーツを作った本物ブランド、クイックシルバーだからこそ。旧ロゴも懐かしいですね。若かった頃よりも、大人になった今だからはきたくなる、そんな印象です」。
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