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大人になった今、「ザ・オリジナル」をはくということ



「“服屋”でしたので、若い頃はサーフブランドをあえてチョイスせず、海に行くときでもドリス ヴァン ノッテンやヘルムート ラングを合わせたりして、かなり、ひねくれていましたね(笑)」。

サーフカルチャーに精通するがゆえに、サーフブランドを着ないでいかにハズすか、を楽しんでいたという種市さんだが、歳を重ねるにつれ、王道の魅力も感じ始めていったそう。
 
「どんな世界であれトップランナーであり続けるというのは、誰でもできることではないですよね。その凄みを大人になって知りました。王道感のあるブランドだからこそ、一点で堂々と取り入れるのが格好いいと今は感じています」。



一方で、ブランドの価値を高めてきたサーファーたちへの敬意も忘れない。

「10代の頃は、僕と同世代の“ニュースクール”のサーファーたちに憧れました。その筆頭が今も現役バリバリで活躍しているケリー・スレーターです。やはり彼が(2014年でスポンサー契約を終了)そのスーツを着用していたので、クイックシルバーといえばケリーという印象でしたね」。

そして、今まさに世界を舞台に成功を収めているトップランカー、五十嵐カノアの印象にも言及する。

「日本人初のイエロージャージ(WSL暫定1位の選手だけが着用できるジャージ)ですから。そんな彼が自分とふた回り以上歳が離れているケリーとバチバチに世界を舞台に戦っているわけですからね。

2世代にわたっている。それをサポートしているクイックシルバーは、やっぱりサーフ界の王道ブランド。リスペクトしかないです」。



多くのサーファーたちが環境問題にアクションを起こすなか、「ザ・オリジナル」にはサステナビリティに基づいた素材使いがなされている点も評価。

実際、種市さん自身もこの点は物選びにおける重要なポイントだそう。

「スタイルはクラシカルでも、オーガニックコットンや再生素材を使用しているという点でアップデートされていますよね。

進化をやめないという点でも、大人サーファーとしての選択肢に入ります。実際今、僕自身、PHEVや自転車を導入しながら、ライフスタイルを変化させているところです」。



歴史やルーツに根ざした背景のある物に惹かれる種市さんだけに、50代目前の今、時代にコミットするクイックシルバーの存在感を強く感じている。

種市さんが着用したのは「オリジナル アーチ 16」



1969年、世界初の本格的ボードショーツをリリースしたクイックシルバー。以降、50年以上の長きにわたり、アップデートを繰り返して進化する。

ラメ刺繍の旧ロゴを備える本作は、往時のクラシカルなムードが魅力。16インチと短丈でサイドパネルのチェッカー柄が特徴だ。また、サイドの裾部分は「アーチ形状」になっており、サーフィン時に脚の引っ掛かりを抑える役割を持つ。商品名の由来にもなっているとおり、この意匠もクイックシルバーがオリジンだ。

当時はコスト面で白を選んだというステッチも今では、オールドスタイルのアイコンに。オーガニックコットンを使用した生地に撥水・速乾加工のドライフライトを施す。9680円/クイックシルバー(ボートライダーズジャパン 0120-32-9190)


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