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バイオ燃料を製造する商業プラント建設の計画に迫る

星野 出雲さんのビジョンを達成するためには、今のバイオ燃料の製造量を何倍にするとおっしゃっていましたっけ?

出雲 2000倍にします。

星野 2000倍ですよ、2000倍。2025年にそのビジョン達成を目指しているんですよね。2025年といったらあと4年後だから、万博の年。世界から人が大阪に飛んでくる。万博の年にもう2000倍にしようというのは、実現可能なんですか?

バイオ燃料を作り出すために「バイオ燃料を製造する商業プラントを建設の計画」が進行中という出雲氏に興味の尽きない星野氏。

バイオ燃料を作り出すために「バイオ燃料を製造する商業プラントを建設の計画」が進行中という出雲氏に興味の尽きない星野氏。


出雲 やりますよ。

星野 すごいですね。それがすごいと思って。2000倍だよ。じゃあ2025年までに先日見学したバイオ燃料製造実証プラントと同じものを大きくするんですか?

出雲 今ある同じものを多くしたり大きさを変えるのは誰でもできるじゃないですか。非連続性の成長やイノベーションを起こす必要があるんです。

星野 もうアイデアはあるわけですね。アイデアがあって、それはまだ言えずに。

グローバルな視野で稼働を始めることになる「バイオ燃料の商業プラント」。対談の当事者両氏だけでなく、同行者全員が大きな期待を抱きつつ対談終了へ。

グローバルな視野で稼働を始めることになる「バイオ燃料の商業プラント」。対談の当事者両氏だけでなく、同行者全員が大きな期待を抱きつつ対談終了へ。


せきね やっぱり、やりますとおっしゃっているからには、もう出雲さんの頭の中にはしっかりと、成功が見えているんですね。

出雲 はい、もう全部できています。ただ、新型コロナウイルス感染症のせいで私が現場に行けないんですよ。

星野 2025年にもうビジョン達成に向かって進んでいると。

出雲 エコツーリズムも完成させますし、その時はまずは石垣・竹富でできたらいいなと思います。その次がバングラデシュですよ。ぜひ見にきてください。やります。

星野 ありがとうございます。

編集後記・対談を終えて

「ユーグレナとは何ぞや」で始まったはずの対談は、観光・宿泊業界を牽引する星野氏と、話題のユーグレナ社の社長である出雲氏という両氏の取り組みは、厳しさや努力の中にも、まさに真摯で夢のある、ユーモアに富んだ人柄が見え隠れし興味深いものとなりました。

両者ともに目指すは環境負荷の限りなく少ない地球環境、さらに未来の旅と宿の姿、そしてもちろん、健康なライフスタイルです。

世界を見据えた企業人の、ビジネスとプライベートの狭間での対談では、言葉の裏側に多くの可能性を感じることができました。

そして、この3日間で両名の柔軟な思考、俊敏な対応と実行力が透けて見え、こうした発信力に触れた先導者がいてくれる限り、近い将来、日本が観光国+環境国へ、そして世界をリードするバイオ燃料先進国へと変わる未来に希望が持てました。

同行した私たちも、これでムシではない“ユーグレナ”をより理解するスタート台に立てた気がします。

対談を終え緑に包まれるヴィラの庭で緊張のほぐれた様子の3名(右から星野氏、せきね、出雲氏)。

対談を終え緑に包まれるヴィラの庭で緊張のほぐれた様子の3名(右から星野氏、せきね、出雲氏)。


2021年11月 ホテルジャーナリスト せきねきょうこ



記事提供:星野リゾート

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