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人とのつながりから始めたチームでの活動も、小柴さんの走る楽しみを大きく変えた要因のひとつだ。

それまでは1人で走ることに楽しさを覚えつつも「ちょっと修行感が強くなってきていました。走り終わる頃にはまるで無我の境地に立っているような感覚でした(笑)」と笑う。

だからこそスタートしてみた仲間との走り。集まったのは異なる境遇や価値観を持ち、年齢もバラバラの仲間たち。仲間と走る喜びを分かち合うことで、ランニングがより楽しくなった。

「いい年して青臭いけれど、やっぱりチームっていいもの。1人では続けられないことも、チームだったら続けられることがある。

苦しいことも仲間と一緒に走ることで楽しさに変わるんですよね。それはこれまでの僕のランニングにはなかったもの」。

結成して4年目を迎えるチームの名はチキンハートランニングチーム。

この日は代々木公園でプチトレイルが堪能できる通称クロカンコースを選んだ。都心部とは思えない緑豊かなアップダウンコース約10kmをチームで走った。

「ランニングというより皆で遊んでいる感覚が強いですね」とチームランの楽しさを語る小柴さんの言葉どおり、時折見せる皆の談笑姿からは、まるで部活のような楽しさが伝わってきた。

また月イチで、走っている代々木上原近辺のゴミ拾いを行うなど、これもチームだからこそできること。

ランニングから帰宅すれば家族の時間がスタートする。始まりは夫婦で一緒に朝食作り。なかでも小柴さんのお気に入りは奥さまによる絶品カフェラテ。

そして同じ食事を同じ時間に毎日いただくのが小柴家のモーニングルーティン。そんな美味しい習慣や家族の幸せが日々の活力になっている。

川西章紀=写真 黒澤卓也=文

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