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「これはローテクのハイテクです」

「コンバース キャンピング サプライ」がスタートダッシュに成功することができたのは、 フィールドとタウンをボーダーレスにつなぐ洗練された佇まいがあったからだ。

要所のスエードがメリハリを生むクラシカルな風合いのアッパー、ワントーンで仕上げたカラーパレット、さりげない刻印にとどめたブランドロゴ、シュータンにプリントしたNSN(ナショナル・ストック・ナンバー)を彷彿とさせる英数字……オーシャンズ世代垂涎の風格である。

すでに完売となった「SPN CP」。

すでに完売となった「SPN CP」。


このクラシカルでモダンなデザインには、ネタ元がある。かつて「オールテレイン」の名で展開されていたアウトドアシリーズとそれに類するモデルだ。

「オールテレイン」は’90年代のアウトドアブームに対するコンバースの回答だった。残念ながら日本の売り場には並ばなかったが、目の肥えたカスタマーのあいだでは評価された。

ファーストコレクションはアウトドアシューズの「クエイク」(1992年発売)やアクションスポーツシューズの「レジスター」(2000年発売)がたたき台になっている。ヘリテージが重しになっているから、「コンバース キャンピング サプライ」には浮ついたところがない。

「古き良きデザインアプローチを踏襲しつつ、現代のテクノロジーでブラッシュアップしました。いってみればそれは、ローテクのハイテクです」(マーケティング課、稲村苑子さん)。

DNAを咀嚼した自由演技

この春新たに登場するのが「CLN CP」「MSD CP」「QAK ST CP / Name.」の3つだ。

踵を踏んで履ける「CLN CP」。4月末発売予定。1万3200円/コンバース(コンバース  0120-819-217)

踵を踏んで履ける「CLN CP」。各1万3200円/コンバース(コンバース インフォメーションセンター 0120-819-217)


「CLN CP」は“イージー・オン/オフ”を謳う「コンバース キャンピング サプライ」待望の踵が踏める2-WAYコンストラクションのモデルだ。

アッパーはコーデュラ ナイコ。コーデュラナイロンにコットンを混紡したマテリアルで、耐久性と軽量性を備えつつ、しっとりとした手触りもある。アウトソールはファーストコレクションのそれを採用している。

水辺のキャンプに格好の「MSD CP」。4月末発売予定。9900円/コンバース(コンバース  0120-819-217)

水辺のキャンプに格好の「MSD CP」。5月発売予定。9900円/コンバース(コンバース インフォメーションセンター 0120-819-217)


「MSD CP」は水陸両用のサンダル。

水に強いメッシュ構造のアッパー、つま先をガードするトウガード、軽量性とクッション性に優れるのみならず、水はけのいいカットアウト構造を採り入れたインジェクションE.V.A.フットベッド、接地性と屈曲性を高めたリサイクルラバー配合のアウトソールで構成される。

気鋭のファッションブランド「ネーム」とのコラボレーション・モデル「QAK ST CP / Name.」。4月末発売予定。1万6500円/コンバース(コンバース  0120-819-217)

気鋭のファッションブランド「ネーム」とのコラボレーション・モデル「QAK ST CP / Name.」。1万6500円/コンバース(コンバース インフォメーションセンター 0120-819-217)


「QAK ST CP / Name.」はネームとのコラボレーション・モデル。

バスケットボールを愛するディレクターの松坂生麻は1984年に誕生したバスケットボールシューズの名作「スターテック」をベースにアウトドアスペックをまぶした。オールブラックのスエードにライムグリーンのインソールが映える。

注目すべきは「QAK ST CP / Name.」を除けば明らかなベースモデルがないということだ。

ファーストコレクションで方向性を定めた「コンバース キャンピング サプライ」のデザインチームは早くも自由演技を始めている。それでいて“らしさ”はいささかも失われていない。よほどきちんとDNAを咀嚼しているのだろう。


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