世の中、あっという間に電動化。新たなステージも楽しみだが、変わらぬ価値もまた捨てがたいわけで……。
例えば21世紀になってもなお、20世紀半ばのスタイルを色を濃く残し続けているジープなんて、「この先どうなっちゃうの?」と大いに気がもめる。
けれど、先日行われたジープ愛好家のためのイベント「イースター・ジープサファリ」で披露されたジープの公式カスタム車を見れば、そんな心配は杞憂だと言い切れるだろう。
圧倒的なパワーを持つ新時代の暴れ馬?
ジープ ラングラー マグニート2.0コンセプト
電気自動車(BEV)であってもジープはタフでワイルド。そんな(彼らからすれば)当たり前のことを示してくれたのが、「ジープ ラングラー マグニート2.0コンセプト」だ。
そのタフ&ワイルドさの象徴と言えるのが特製モーターだ。その最高出力は625馬力、最大トルクは850 lb.ft(約1152N・m)。いずれの数値も日産アリアやリーフの3倍以上だ。
この有り余るパワーを状況に応じてドライバーが引き出せるよう、電気自動車なら本来トランスミッションなくてもいいのに、わざわざ6速MTが用意された。
さらに通常ボディ下に一体で収められるバッテリーも、重量バランスを考慮して4カ所に分けられて配置。もちろんオフロード走破専用の足回りが与えられている。
この車が目指したドライブフィールは「馬を御す手綱」感覚。21世紀のカウボーイならぬカーボーイは、電動化時代でも逞しく荒野を走り回れそうだ。
味のあるミリタリー感がたまらないPHEV
ジープ ’41コンセプト
一見、フツーのラングラー。けれど2つのモーターと2Lターボエンジンを組みあわせた、歴としたPHEVだ。
ベースであるラングラーのPHEV「ラングラー4xe」は既に本国で販売されていて、モーターだけで最大21マイル(約34km)走ることができる。
車名に「’41」が入るのは、米軍の要請によりラングラーの原点「ウィリスオーバーランド」が誕生した1941年を示す。つまり、同車へのオマージュがこの車というわけだ。
マットなオリーブグリーンやタンのソフトトップ、ブラックパウダーでコートされたスチールバンパーなど、クラシカルな“ジープ”感がめちゃくちゃ渋い!
たとえ電動化になろうと、ジープのレトロな味わいは変わりませんよという、証左のひとつだろう。
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