「オキニのメンテナンス塾」とは……
ようやく衣替えに踏み切れる気候になってきた。時間のあるときにパパッと済ませたいところだが、ひと筋縄にいかないのが冬の間に着倒した「ニット」である。
まとめてクリーニングに出してしまえばラクだけど、量が多いとそれも面倒。かといって「まとめて洗濯機で洗っちゃえ!」というのも少し心配だ。
そこで紹介したいのが、自宅で簡単に行えるニットのメンテナンス術。
▶︎動画も観てね! 永松修平さん●全国140店舗を運営するバルコ ランドリー プレイスの洗濯に関する研究開発を担うバルコ ラボの代表。ランドリーマシンの開発や、高い技術のクリーニングサービスなど研究開発している。
教えてくれたのは、バルコ ラボ代表の永松修平さん。コインランドリー「バルコ ランドリー プレイス」を手掛けた、“洗濯マイスター”である。
そんな永松さんに、ニットの洗濯と保管方法を伝授いただこう。
ポイント① ケバや毛玉を処理する
数年前に購入したウール素材のニット。パッと見は綺麗な状態だが、裾や袖口に小さな毛玉が発生している。
ニットを洗う前に気になるのが、そこかしこにできたケバや毛玉。このまま洗えばさらにひどくなりそうなので、まずコイツを何とかしたい。
「その名の通り、繊維が毛羽立っているのがケバ、それが絡まってしまった状態が毛玉です。ケバの解消法は簡単。洋服ブラシを使って一定方向にブラッシングするだけです。糸クズや埃なども取れるので、一石二鳥ですよ」。
つまり髪の毛と同じだ。ブラッシングをすることで毛並みを揃えてあげれば見た目にも美しい。問題は、ケバを放置したが故にできた毛玉だ。
「毛玉になってしまったら、もう取り除くしか手がありません。放っておけば大きくなるばかりなので、小さいうちに取っておきましょう。電動の毛玉取り器が便利ですが、T字カミソリでも十分代用できます」。
その際に注意したいのが、必ず硬い台の上で行うこと。柔らかい面でやると、余計な箇所まで傷めてしまう恐れがある。
「毛玉を取れば確かにキレイにはなりますが、一方でそれは繊維が痩せていくのと同じこと。
ですから本当に大切したいニットであれば、極力毛玉ができないよう脱いだあとにブラッシングをしましょう、常に毛玉ができにくい状態を保つことが理想です。来シーズンはぜひ、実践してみてください」。
2/3