「オキニのメンテナンス塾」とは……
「あかん! 服にカレーのシミがついてもうた〜」と、気をつけていたつもりでも、ついついやってしまう食べこぼし。
こんなシミがついてしまった日には、運が悪かったと諦めてやしないだろうか? 実は、ちゃんとポイントを押さえた対処を行えば、通常の洗濯で元通りになる可能性が高いのである。
永松修平さん●全国140店舗を運営するバルコ ランドリー プレイスの洗濯に関する研究開発を担うバルコ ラボの代表。 ランドリーマシンの開発や、高い技術のクリーニングサービスなど研究開発している。
そこで、
ニットのメンテナンス術に引き続き、バルコ ラボ代表の永松修平さんに、シミ汚れの応急処置法について聞いてみた。
ゴシゴシ水洗いは絶対NG!
「皆さんがやりがちなのが、シミがついたところに水をつけてゴシゴシ擦ること。焦る気持ちはわかりますが、まずコレは絶対にNGです。水によって汚れが広がってしまうだけで、良いことがありません」。
カレーのように油分を含む汚れの場合、水溶性の汚れを油溶性の汚れが膜で包むように付着している。
それをいきなり水をつけて擦ると、油と水が混ざった状態で繊維に絡まり、余計に落としにくくなる。油汚れがしつこいのは周知の通り。
「とはいえ、時間が経つほど酸化が進むので、シミはなるべく早く対処するに越したことはありません。少なくとも、汚れが完全に乾いてしまう前に行いたい。応急処置のポイントは汚れの表面を覆う油のコーティングを、最初に剥がすことです」。
そのために使うのがコレ。中身はどの家庭にもある台所用洗剤である。
オレンジオイル配合の台所用洗剤がおすすめ。油汚れに強いリモネンという成分が含まれているからだ。
「弱アルカリ性の台所用洗剤は、油汚れに強い性質を持っています。これを使って油の膜を溶かしましょう」。
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