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2022.04.13

ファッション

【衣替えの前に】毛玉を防ぐブラッシング法を解説! 専門家に聞く、正しい「ニット」の洗い方



「オキニのメンテナンス塾」とは……

ようやく衣替えに踏み切れる気候になってきた。時間のあるときにパパッと済ませたいところだが、ひと筋縄にいかないのが冬の間に着倒した「ニット」である。

まとめてクリーニングに出してしまえばラクだけど、量が多いとそれも面倒。かといって「まとめて洗濯機で洗っちゃえ!」というのも少し心配だ。
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そこで紹介したいのが、自宅で簡単に行えるニットのメンテナンス術。

▶︎動画も観てね!

永松修平さん●株式会社オクラボ代表取締役。三洋電機株式会社で業務用洗濯機器の開発など携わったのち起業。生地を傷めない服に優しい洗濯方法を追求している。

永松修平さん●全国140店舗を運営するバルコ ランドリー プレイスの洗濯に関する研究開発を担うバルコ ラボの代表。ランドリーマシンの開発や、高い技術のクリーニングサービスなど研究開発している。


教えてくれたのは、バルコ ラボ代表の永松修平さん。コインランドリー「バルコ ランドリー プレイス」を手掛けた、“洗濯マイスター”である。

そんな永松さんに、ニットの洗濯と保管方法を伝授いただこう。

ポイント① ケバや毛玉を処理する

●年前に購入したウール素材のニット。パッと見は綺麗な状態だが、裾や袖口に小さな毛玉が発生している。

数年前に購入したウール素材のニット。パッと見は綺麗な状態だが、裾や袖口に小さな毛玉が発生している。


ニットを洗う前に気になるのが、そこかしこにできたケバや毛玉。このまま洗えばさらにひどくなりそうなので、まずコイツを何とかしたい。



「その名の通り、繊維が毛羽立っているのがケバ、それが絡まってしまった状態が毛玉です。ケバの解消法は簡単。洋服ブラシを使って一定方向にブラッシングするだけです。糸クズや埃なども取れるので、一石二鳥ですよ」。




つまり髪の毛と同じだ。ブラッシングをすることで毛並みを揃えてあげれば見た目にも美しい。問題は、ケバを放置したが故にできた毛玉だ。



「毛玉になってしまったら、もう取り除くしか手がありません。放っておけば大きくなるばかりなので、小さいうちに取っておきましょう。電動の毛玉取り器が便利ですが、T字カミソリでも十分代用できます」。



その際に注意したいのが、必ず硬い台の上で行うこと。柔らかい面でやると、余計な箇所まで傷めてしまう恐れがある。

「毛玉を取れば確かにキレイにはなりますが、一方でそれは繊維が痩せていくのと同じこと。

ですから本当に大切したいニットであれば、極力毛玉ができないよう脱いだあとにブラッシングをしましょう、常に毛玉ができにくい状態を保つことが理想です。来シーズンはぜひ、実践してみてください」。
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ポイント② 手洗いで平干しが基本

目に見える毛玉や埃などを取り除いたら、いよいよ洗濯へ。



「ニットの素材にもよりますが、ウールやカシミアといった天然繊維が少しでも含まれているものは手洗いが基本です。大きめの桶や洗面器の中に、畳んだ状態で入れて押し洗いしてください」。


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畳んで行うにもワケがある。洗濯の際に含んだ水の重さによって、型崩れや伸びの原因になるからだ。



「洗剤選びも重要。普通の洗濯洗剤はアルカリ性のものが多く、天然繊維とは相性が悪い。縮みや変色の原因になります。ニット洗うのであれば、必ず中性の洗濯洗剤を使いましょう」。

ドラッグストアなどで、いわゆる「おしゃれ着洗い」として売られているもの選べば問題なし。洗濯機と同様、洗剤を混ぜた水ですすぎを2回行い、2回目のすすぎの際には柔軟剤を入れる。

「柔軟剤は基本、衣類に残すもので、繊維の絡みや静電気の発生を抑える効果があります。

ウールのような天然繊維は、髪のキューティクルのようにウロコ状になっていて、濡れると開いてしまうんです。その状態が一番危険で、絡まったり縮んだりしやすい。

柔軟剤はいわば、髪の毛につけるコンディショナーのような働きをするものだと考えてください」。

そして最後に脱水を行うわけだが、ここでも注意点。



「繰り返しますが、ニットにとっては濡れている状態というのがいちばん危険です。洗濯機のように絞って脱水しようとすると、これがまた傷む原因になります。

ニットの脱水にはバスタオルを使いましょう。濡れたニットをバスタオルで包んで、水分を優しく吸い取ってください」。

ちなみに、干すときは平干しがマストだ。洗濯機での脱水ほど水気が取れるわけではないので、うっかりハンガーにかけると水分を含んだニットの重さで伸びてしまうリスクが大きい。永松さん曰く、100円ショップなどでも手に入る、平干し用ハンガーを使用すると良いとのこと。
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