ダックス125。サイズは全長1760×全幅760×全高1020mm。写真のカラーは「パールカデットグレー」。
洒落てて可愛い「ダックス」が、また戻ってくるぞ!
初代が登場したのは1969年。一旦は1981年に販売終了したが、1995年に復刻。しかし、これもまた1999年に生産終了。
以来、世紀も元号も越え、20年以上の月日が経ち、もう会えないのだと諦めていたのに、ちょっと大きなエンジンを積んで再び我々の目の前に現れてくれたのだ。
ダックス125。こちらのカラーは「パールネビュラレッド」。
折しも今は空前のキャンプブーム。「レジャーバイク」を謳いデビューしたダックスが帰ってくるにはドンピシャのタイミングだ。
車名の由来にもなったダックスフンドのような胴の長い鋼板プレス製バックボーンフレームに、2人乗りも容易なロングシートスタイル。
この変わらないフォルムは、往年のダックスを知る人はもちろん、ダックスを知らないZ世代もきっと可愛いと思えるのではないだろうか。
ちょっと“大型化”は正解!かなり使いやすくなったぞ
オーシャンズ世代のダックス好きも「このサイズ感がなぁ」と訝るなかれ、ディテールには、往年のダックスを受け継ぐ仕様が多く取り入れられている。
フレームに走る犬の首輪をイメージした黒のストライプや丸型ライト、アップマフラー、さらに足が車輪になっているダックスのマークは、125ではちょっと前傾姿勢のアグレッシブなダックスになって復活しているという遊び心も。
123ccのエンジンは空冷4ストロークの単気筒。クラッチ操作が不要な自動遠心クラッチ・4速トランスミッションが搭載されている。
だからこれまでのダックスよりもパワフルな走りが楽しめて、しかもAT限定免許のライダーも気軽に跨がれる。
スピードメーターはデジタルに、純正オプションでグリップヒーターが用意されているのもありがたい。
ホンダは2018年に「スーパーカブ C125」と「モンキー125」を、2020年には「CT125・ハンターカブ」も投入して原付二種(50cc超〜125cc以下)市場を活性化してきた。
すると通勤だけでなく、キャンプをはじめとした趣味にも利用される実態を目の当たりにしたという。そこで「だったら次はダックスでしょ」と今回白羽の矢が立ったらしい。
もともとフロント部分を取り外して車のトランクへ収納して運び、遊びに行った先で楽しむことも想定されて開発された初代ダックス。
令和のキャンプブームでは、もうそんなまどろっこしいことはせず、周囲の流れに十分乗れる排気量を備えて再デビュー、とあいなった。その分ちょっぴり大きくなったが、可愛らしい姿は先述の通りそのまま。
むしろ新サイズは膝をグッと曲げずに乗れるから、加齢とともに体もちょっとだけ大きくなった今の我々には楽だし、後ろにもうひとり乗せるタンデムもしやすくなったと言えるだろう。
発売開始は7月21日(木)より。車両本体価格は44万円だ。
こんな個性的なフォルムを見たら、子供から「後ろに乗りたい!」と言われるに違いないし、ひとりまたがって街乗りするだけでも楽しくないわけがない。もちろんホンダクオリティの丈夫さだから、将来子供に譲ることだってできるだろう
オーシャンズ世代のいろんな想いに、ダックス125はバッチリ寄り添ってくれるのだ。