今年デビューを果たした注目ブランド「ベースメント ギア」と「サヴァビアン」。
どちらもスウェットに力を入れているとのことだが、これがかなり高クオリティだった!
「ベースメント ギア」
パーカ9900円、スウェット各8800円/ともにベースメント ギア(ファミリーファースト www.basement-gear.com)
このスウェット、我々が絶対好きなやつ。太番手の糸を高密度に織り上げた、ドライ感のあるタフな生地。それでいて裏はソフトな起毛で、優しい肌触りに仕上げてある。
さらには着たときのたっぷりとした量感も、昨今なかなか味わうことができないと思う。昔ながらのアメリカの、いい意味でのおおらかさを備えたスウェットなのだ。
こういったテイストは当然ながら狙って作られている。今年デビューしたばかりとは思えない手練のワザは、ファッション業界で研鑽を重ねてきたプロダクトチームの経験値から生まれたもの。
そしてパキっと原色のカラー展開があるのも、アメカジ好きにはたまらない。独自のオーバーダイで仕上げられたその色みは、着込んでいくほどに得がたい味わいを醸し出していくはず。
現在のラインナップはスウェットシャツとパーカの2型で、それぞれ同じ7色を用意。公式HPのオンラインストアから購入可能なので、ぜひともチェックしていただきたい。
「ベーシックでありながら、オントレンドなスタイル」を追い求めていくというベースメント ギア。今年誕生したばかりだが、この先長く付き合っていくブランドになりそうな予感がする。
「サヴァビアン」
2万4200円/サヴァビアン(アントリム 03-5466-1662)
こちらは今年2022年にデビューしたばかりのニューカマーである。
使用している生地はポリエステル55%、コットン45%のミックス素材。つるりとしたジャージーライクな質感とポップな色使いが、スウェット新世代の到来を自ら表現しているかのようだ。
サイズもなかなかにチャレンジングな設定で、ジェンダーフリー&ワンサイズのみという展開。ブロダクトの向こう側に揺るぎないコンセプトを垣間見せてくれるブランドなのだ。
しかしながらデザインや細部のディテールはきわめて凝っており、作り手の、服に対する深い愛情と遊び心が感じられる。少々詳しく見ていこう。
うっすらとブランドロゴが浮かぶフロント(と便宜的に呼ぶ)は、スポーティなラグランスリーブ仕様。逆にバックはセットインスリーブとなっている。
これ、前後で単純にデザインを変えただけではない。気分次第でロゴ前でも無地前でも楽しめる、前後両用というギミックなのである。
前後対称のネックで前後両用で使える。
その証拠がネックの深さと幅。前後対称で、まったく同様の作りとなっているのだ。
こんな“表裏のない”スウェット、我々も一度は袖を通してみたいもの。間違いなくいい刺激を受けるはずだから。