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2022.04.21

かぞく

実は影響している何気ない言葉がけ。専門家に聞く、子供との上手な関わり方

当記事は「ボーネルンド公式ウェブサイト」の提供記事です。元記事はこちら

多くの子どもたちの脳と心の発達について研究している医学博士の友田明美先生。

情報が多いからこそ、悩みも深まる一方の現代社会の中で、子どもとどのようにかかわり、どのように接するのがよいのか、親子の愛着形成についてお聞きしました。

健やかな脳を育むには胎児期、乳幼児期、思春期のかかわりがとっても大切

人の思考や行動を支配している「脳」。発達段階にある子どもたちの脳には、かかわる大人たちの言葉がけ次第で良い変化をもたらすことができる、と近年の研究でわかってきています。

私は、30年近く小児精神科医として、多くの子どもたちとかかわり、脳の変化についても見てきました。生まれたときにはわずか300グラムしかない人間の脳は、ゆっくりと成長し、時間をかけて生きるすべを学んでいきます。

その発達段階において、もっとも重要なのが、胎児期(妊娠中)、5歳ぐらいまでの乳幼児期、そして10〜15歳ころの思春期です。これらの時期に、親など身近な存在から適切なケアと愛情を受けることこそが、健康な脳を育む上で必要不可欠となります。

これらの時期に適切なかかわりを持たないことを、私は「マルトリートメント(不適切な養育)」と呼んでいます。子どもたちの脳は、嫌な体験やストレスから逃れようと、自ら変形してしまうのです。

子どもの脳に影響するマルトリートメント、これはいったいどのようなものか、いくつか例をあげてお話ししていきましょう。

日常の何気ない行動が子どもたちの脳を傷つけている?

忙しいとき、静かにしていてほしいときなど、スマホを与えておけばと、子どもにスマホを渡したことはありませんか?

育児に欠かせないツールとして活用されている親御さんも多いかもしれません。私たちの生活になくてはならない存在となってしまったスマホが、子どもたちの脳に与える影響はかなりなもの。

この「スマホ育児」、脳の脳梁(のうりょう)を減少させ、コミュニケーション能力が低下してしまうことがわかっています。絶対に見せてはいけないというのではなく、与えるなら30分以内など、時間を決めておくことが大切です。

さらに注意したいのが「過干渉」。子どもが、ある程度身の回りのことができるようになってきているのにもかかわらず、あれやこれやと細かく確認して世話をやき過ぎると、危険や恐怖心を感じる脳の扁桃体(へんとうたい)が減少し、大人になってからもビクビク怯えてしまうようになってしまいます。

兄妹やお友だちと比べるという行為も避けたいところです。「〇〇ちゃんはすごいね」など、誰かと比べられることで、喜びや快楽を感じる脳の線条体(せんじょうたい)が傷つき、将来、アルコール依存や薬物中毒のリスクが増すことも。

子どもは一人一人さまざまな個性を持っていますから、誰かと比較するのではなく、その子個人と向き合うことが大切なのだと思います。

小児精神科医として多くの子どもたちの発達を診察してきたこの30年間、私にも二人の娘がいて、仕事と育児を両立してきました。


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