言葉③「自分の人生観を大事にすることが、結局はゴルフに繋がる」
Q:国内ツアー参戦2年で史上最年少賞金女王に輝き、翌08年には主戦場をアメリカに移されました。6年間の挑戦で、目の前にあった壁をどのように捉えていたのですか? アメリカで、それまでの自分が井の中の蛙だったのかもしれないって思ったら、自分に可能性を感じられなくなってしまった感じです。
技術的な面でも、ゼロから変えようと思って、自分の長所だった球筋も全部変えて、逆のことをした時期もありました。試せば試すほど、今度は元の戻り方がわからなくなるというか、そもそもの自分本来の性格だったりが分からなくなってしまって。
Q:そこまで苦しんでも、「良い経験だった」と言い切れるのは、考え方をどのように変えて、その結果何を得られたからだと思いますか? 常に、ゴルフっていうものが人生の中の中心にあったんですけど、海外の選手はあまりゴルフが中心になくて、人生の中のひとつの部屋と言うか、引き出しみたいなところにゴルフがあって。
「趣味ないの?」って言われて「ゴルフ」って言ったら、「え?ゴルフは仕事でしょう? それは趣味じゃないよ」って言われて。趣味がないって言われたことも、自分の中では驚きだったんです。
自分の人生観をもっと大事にすることが、結局ゴルフにも繋がるんだっていうことを、苦しみながらも教えてもらった経験だったのかなと思います。
Q:ゴルフ以外に目を向ける自分を受け入れたり、結果に対する捉え方が変化したことが、人としての幅を広げ、その後の活躍につながっているということですか?
そうですね。失敗ができないっていうのは、あまり楽しくないっていうか。ワクワクすることには「頑張りなさい」って人が言わなくても、勝手にその人は頑張りたいと思うと思うんですよ。
アメリカで失敗体験を通じて、「別に失敗してもいいじゃん」って思えるようになりました。
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