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プラド系で圧倒的人気は、90系と現行型の150系

もちろん、ランクルよりもカジュアルなランドクルーザー・プラド系の人気も高まっているという。

「プラドはフロントサスペンションがリジットじゃなく独立懸架だから、かつて本気のオフロード4WD乗りからは敬遠されたりしました。

しかし、プラドでも普通車では走行困難な悪路をグングン進んでいける走行性能は有しています。そんなランクルを乗用車感覚でも乗れるというのが、プラドの魅力です」。

同社がカスタムした90系。

同社がカスタムした90系。


中でも90系と、現行型の150系は最近特に人気だそうだ。「90系はサイズ感もちょうど良いんです。また搭載されたガソリンエンジンも3.4Lと2.7L。ランクルよりは小排気量ですから自動車税も安いし、駐車場問題で悩むことも少なく、街中でも扱いやすいモデルです」。

ほんの数年前までは価格もお手頃で、知る人ぞ知る人気車だったそうだが、「新型コロナ感染拡大以降は人気が高くなってきて、最近中古車価格も上がっています」。

プラドでもうひとつの人気モデルは、現行型である150系。

大人気の150系。

大人気の150系。


4Lと2.7Lのガソリンエンジン、さらに2015年には排ガス規制をクリアする2.8Lディーゼルが、4Lガソリンに代わって用意された。

特にフロントマスクのデザインが変わり迫力が増した後期型は、大ヒットしているという。「ウチではカスタムした新車も販売しているのですが、新車:中古車の割合は8:2〜9:1くらい。それほど150系の新車は人気です」。

実は、中古車の値がなかなか下がらず、新車とほとんど販売価格が変わらないケースもあるとのこと。それならばと、フレックス・ドリームでも新車の購入をお勧めしているという。

同社がカスタムした150系の新車。

同社がカスタムした150系の新車。


また現行型ということもあり、カスタムパーツがどんどん登場していて豊富なのも人気をさらに後押ししているようだ。


100・200系や120系、最近のランクルはどうなの?

ランクルシリーズの旧型にはまだ100系、200系、プラドには120系などがあるが、これら比較的最近のランクルシリーズは、手に入れやすいのだろうか。

“武骨なクロカン”から、“現代のSUV”なデザインに近づいてきた100系(上)と200系(下)。

“武骨なクロカン”から、“現代のSUV”なデザインに近づいてきた100系(上)と200系(下)。


「100系はそれまでのランクルと比べて、デザイン面でも操作面でも武骨さやクラシック感が薄れたため、やはり今も60系や80系のほうが人気です」。

ただ、年式が新しい分使い勝手はもちろん高いので、フレックス・ドリームでは60系や80系のような雰囲気にカスタムを行っている。そうしたカスタム100系の中古車が、今少しずつ人気を得てきているという。

同社がカスタムした100系。

同社がカスタムした100系。


「本物の60系や80系は、頑丈とはいえ古い車なので、どうしても消耗品や電装品の不具合や故障の覚悟は必要です。そのデザインは好きだけど、故障しないほうがいいし、乗り心地も良いほうがいいというお客さまに、100系などのカスタムが人気になってきています。

同様の理由でプラドの120系のカスタム車も今人気が出始めていて、まだ70系や90系には及ばないですが、今後古い車の数が限られてくるほど、どんどん人気になってくるはずですよ」。

同社がカスタム車の販売を開始する120系。

同社がカスタム車の販売を開始する120系。


一方で旧型になったばかりの200系は、現行型の300系が納車4年待ちとも言われている中で、やはり人気が高いという。

「例えばバスフィッシングのためにボートを牽引する方など、今、本気でアウトドアへ出掛ける人や本気の4WD乗りを中心に支持を集めています。まだまだ新しい車なので壊れにくく、悪路走破性はもちろん快適性の高さは圧倒的なので、長距離を移動される方には200系がオススメです」。


というわけで、どうしてもいわゆるランクルの雰囲気がほしいなら60系や80系を辛抱強く待つか、比較的流通量も多く、コンディションも安定している120系や200系にするか、あるいは人気絶頂の150系やプラド90系を手に入れるか。

世界的人気車種ゆえ、市場やタイミングを見ながらその選択をすることも、重要な要素なのである。

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[取材協力]
フレックス・ドリーム
www.flexdream.jp

籠島康弘=文

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