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無駄を楽しんでこそ焚火は面白い

慣れれば、片手でも薄く長く、削れるようになる。

慣れれば、片手でも薄く長く、削れるようになる。


「焚き火の良いところは、余計なことを考えずに無心で楽しめることです。その点、フェザースティック作りも集中し始めると大人も無心で楽しめるので、焚き火との相性が良い遊びですね」。

たしかに、教えられたポイントを踏まえてやってみると、削るごとに明らかに上達していく実感がある。これは面白い。

キャンプ場に行くと、黙々と何本もフェザースティックを作り続けているキャンパーを見ることがあるが、実際にやってみるとその気持ちがよくわかる。

削りカスも着火剤代わりになるので捨てないで。

削りカスも着火剤代わりになるので捨てないで。


うまくいかずに、削り落としてしまったフェザー部分も焚き付けになるので、捨てずにまとめて着火に使うといい。

「フェザーズティックはきれいに作れなくても、着火剤としては十分燃えてくれます。でも、美しく削ることができたほうがやっぱり気持ちがいい。ナイフ使いの練習にもなるし、一石二鳥です」。

着火はライターでもファイヤースターターでも。

着火はライターでもファイヤースターターでも。


「市販の着火剤やガスバーナーがあれば、フェザースティックなんてなくても簡単に火はつけられます。『これ、必要?』と言われてしまえばそれまで。

でも、こうした無駄を楽しんでこそ、火への好奇心が沸き、さらに焚き火が面白くなると思います。理屈ばかり考えず、遊び心があるか、自分の気分が上がるかを大事に直感的に楽しんだっていいんです」。

曰く、みんな同じやり方をする必要はないし、誰にでも当てはまる正解なんてないそう。道具を買い揃えるのは簡単だが、材料選びや削り方を工夫して、自分なりの正解を探してみよう。



池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真

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