今、グッチの腕時計が面白い。最先端のモードシーンを牽引するアレッサンドロ・ミケーレさんのもとで、一気にアクセサリー化へと舵を切っている。振り切れたデザインは、腕時計を身に着ける楽しさを改めて伝えるものだ。
最新作も同様で、ミケーレさんが愛する’70s的な絢爛とストリート感が融合した1本。その名は「グリップ」、インスピレーションソースはスケートボード。
時分秒をディスク式のデジタルで表示する仕組みで、’60年代後半から’70年代初頭によく見られたデザインなのだ。そしてそれは、折しも当時のスケーターに愛されたという逸話もあり、まさにミケーレさんの実践するスタイルに通じる。
懐かしくも新鮮な意匠に「インターロッキングG」が映え、僕らの心もがっちりと“グリップ”する。
鈴木泰之=写真 柴山陽平=スタイリング 髙村将司=文