VACHERON CONSTANTIN
ヴァシュロン・コンスタンタン/レ・キャビノティエ・グランド・コンプリケーション“フェニックス”
スイス時計の伝統と技術の継承を不死鳥に込めてジュネーブの時計作りは18世紀のキャビノティエによって培われた。本来は“屋根裏部屋”の意味だが、ここでは建物の最上階で時計師たちが独創的な技術を育んだアトリエを指す。ヴァシュロン・コンスタンタンのレ・キャビノティエ部門ではその伝統を受け継ぎ、今もワンオフや特注仕様のモデルを製作。
その最新作は、ミニッツリピーターやトゥールビヨン、パーペチュアルといった15の複雑機構を裏表に備える。「フェニックス」の名には、決して廃れることのない時計技術への情熱を込めるとともに、ケースには美しい不死鳥をエングレーブ。
JAEGER-LECOULTRE
ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・デュオ
洗練と機能に磨きをかけた元祖・裏表のない時計時計の裏表を活用した名作として名高いのがこの「レベルソ」だ。苛酷なポロ競技中でもフェイスを守るよう、ケースを反転させたのをきっかけに、その革新的な機構はさらなる可能性を開いた。ケースバックに文字やパターンを刻み、七宝など工芸的装飾を施すことでアクセサリーの魅力を付加。
さらに多機能を備え、実用性にも磨きをかけた。代表作「デュオ」は、裏面で第2時間帯を指し、簡単に時刻合わせができるほか、24時間デイ&ナイト表示でホームタイムの昼夜も確認できる。ストラップはポロ競技用ブーツメーカー、カーサ・フェリアーノが手掛け、出自をオマージュする。
H.MOSER & CIE.
H.モーザー/エンデバー・コンセプト ミニッツリピーター トゥールビヨン
精緻な動きと美しい音色を目と耳で楽しめるH.モーザーの最新作は、伝統的な時計の技術や様式美をモダンなアレンジを加えて表現する。ロゴやインデックスさえも省き、今やブランドの象徴にまでなったダイヤルに、複雑精緻なフライングトゥールビヨンを静と動のコントラストのように融合。
さらに、音で時刻を知らせる機能ミニッツリピーターのチャイムを通常の裏から表面に搭載することで、耳でも目でも鳴りモノ時計を楽しむことができる。
※本文中における素材の略称:K18=18金、PG=ピンクゴールド、WG=ホワイトゴールド、SS=ステンレススチール
星 武志(エストレジャス)=写真 石川英治(Table Rock. Studio)=スタイリング 柴田 充=文