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“素”をちゃんと作っているブランドはエライ


安藤 それがRef.5196にも受け継がれている、ドーフィンハンドと立体的なバーインデックスの組み合わせというわけですね。
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広田 ですです。面白いことに、96は歴史的名機なのに、誰がデザインしたのか、記録がまったく残ってないんですよ。はっきりしていることは、パテック フィリップはこの時計をかなり短期間で作り上げたということ。まさに奇跡的なモデルといえます。今は丸形でシンプルな時計をカラトラバと呼ぶようになりましたけど、狭義のカラトラバは3針スモールセコンドのモデルだと思っています。



安藤 型番の最後が96になっているやつですね。だからカラトラバを買うなら、これが……。
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広田 王道!

安藤 しかも、その王道中の王道が、パテック フィリップの中ではお値打ちなんです。

広田 買っとけ、と(笑)。

安藤 実はマスターピースになる時計って必ずしも高額モデルじゃない。頑張れば多くの人が手にできるシンプルなモデルが多いんですよね。

広田 そう。もり蕎麦のような、“素”のモデルをちゃんと作っているメーカーはエライんですよ。ポルシェも“素”ケイマンがよかったりするわけじゃないですか。あれと同じ。だから、“素”カラトラバも、当然いい(笑)。

安藤 確かに極めた人って、蕎麦に何もつけずに喰いますもんね。

広田 時計趣味も3針スモセコに始まり、3針スモセコに終わる、という世界があるんです。

安藤 もっと高いモデルがいっぱいあるのに、“素”なモデルまでちゃんとそこまで手間をかけて作るわけだから。

広田 蕎麦屋も“素”でこそ実力がわかる。96系カラトラバは極上の“素”蕎麦です。

安藤 本来“キワモノ好き”な僕の時計趣味からするといちばん遠いところにあるんですけど、それでもやっぱり欲しいと思わせるんですよね、カラトラバは。白いTシャツにリーバイス、そこにイエローゴールドのRef.5196。格好いいなぁ。

広田 買っちゃいます?

安藤 いや、僕の場合はまだ人間が追いついていない。蕎麦も天ぷらと食べたい派ですから(笑)。

 

【問い合わせ】
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109

関 竜太=写真 いなもあきこ=文

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