後悔者続出!「開かずのバルコニー」
続いてのチェックポイントは、寝室の横にあるバルコニーです。寝室を見ると、ベッドを2つ並べるにはややこじんまりした造りで、その分バルコニーにスペースが割かれているように見えます。
なぜこのような間取りを選んだか聞くと「布団を干すスペースとしてバルコニーがいると思った」とのことでした。
バルコニーは、多くの人が「あって当たり前」と考えて、なんとなく設置してしまいがちですが、果たして本当に必要でしょうか。「布団を干す」という点でいうと、例えば庭に干す、浴室や脱衣所に室内干しできるスペースを設ける、布団乾燥機を購入する、2階の窓の外に「布団干しバー」をつけるなど、バルコニーがなくともできることです。
まさにほぼ出たことのないという開かずのバルコニー。なんとなくつけてしまう設備の最たるもの(画像:サンクチュアリ出版提供)
ちなみに、「バルコニーでバーベキューをしたい」という施主の方もよくいますが、床を傷め、防水機能を低下させる原因となる可能性があるので、バルコニーでのバーベキューはおすすめしません(防水仕様によります)。
バルコニーのような屋外の設備は劣化が早く、メンテナンスコストもかかりがちで、排水溝などの掃除もしなければならず、維持にけっこう手間がかかるものです。
構造的にも、このご夫婦の家のように下階の部屋の屋根を兼ねているケースだと、外に面した部分の面積が大きくなるので断熱性能が下がり、劣化により防水性能が落ちて雨漏りをするリスクも高くなります。
近年は、花粉症やPM2.5の影響から外に干さない人も増えており、結果的にほぼ使用されない「開かずのバルコニー」が続出しています。デメリットを上回る明確な目的がないまま、なんとなくバルコニーをつくるのはやめたほうがいいでしょう。
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