スタイルを確立する、ジャガー・ルクルトの洗練
インスタグラムでは自身の装いや趣味の写真をポスト。
長山さんが現在所有する時計は、レベルソのほか、カルティエのタンク、IWCのパイロット、パテック フィリップのカラトラバの計4本。
「機能はいらない、求めるのはスタイル」と話す通り、そのほとんどがデイト表示のないシンプルなものばかり。
「今、仕事で求められることは全部デジタライズされたものになっていますが、自分の身の回りのものは五感を使った、感覚的なものにしたいと思っているんです」。
「マスター・コントロール・クロノグラフ・カレンダー」をじっくり観察。オープンケースバックからはジャガー・ルクルト製キャリバー759が覗く。
曰く、デジタルカメラはどんなに音が鳴っても“軽い”が、物質と物質が重なり合って出る音の響きには重さや質量が含まれ、“心地”が生まれるのだそう。
そういったアナログな感覚は、クリエイティブな現場を主戦場とする長山さんにとって必要不可欠なものなのだろう。
細長く伸びたインデックス、ドーフィン針が、存在感と視認性を高める。リューズから伝わる感触も滑らか。
そんな長山さんが次に選ぶとしたらどんな時計か? 候補は、ジャガー・ルクルトの「マスター・コントロール・クロノグラフ・カレンダー」だ。
「ローズゴールドの煌めきがいいですね。光を受けて輝く様子は、肌の上で溶けていくような品の良さを感じます。
僕たち写真家は被写体の魅力を引き出すためにライティングの微妙なニュアンスをコントロールしますが、おそらくこの時計も、視認性を高めながらディテールを引き立てつつ、存在感を出せるよう計算し尽くされているのでしょう」。
初めて手に取った時計との距離を縮めるようにじっくりと観察し、その特徴を正確に分析。オーダーメイドのスーツのほかにも、スタジオを作るときからハマっていったヴィンテージ家具など、興味を持ったものにどっぷりとハマって磨かれた審美眼は健在だ。
「よく見ると、ゴールドはポリッシュとサテンの2種の仕上げになっているんですね。ギラギラの金時計は苦手ですが、これは控えめで洗練された印象。機能を求める紳士に相応しい一本だと感じました」。
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