「世界最高峰! 日本デニムの今」とは…… 若かりし頃はアメリカンデニムに最高の風合いを宿すべく、あらゆる手段を講じたものだ。では現在、世界最高峰と呼ばれる日本デニムはどう育てるのが正しいのか。
デンハム・ジャパンの代表・根岸洋明さんは、これまでの経験から“ある理想の育て方”を導き出したという。
デニムを知り尽くす男が見たジャパンデニム
デニムをはいたままベッドに入ったり、そのまま湯船に浸かったり……いくら理想の1本を求めていたとは言え、今思えばかなりの無茶をしてきたものである。
そんな無茶な育て方(あるいは涙ぐましい努力)は、世界規模でクオリティを絶賛されるジャパンメイドにも通用するのだろうか。
オランダ発のデニムブランドで、メイド・イン・ジャパンのデニムも作り続けるデンハム。それを広く浸透させた根岸さんに、日本デニムの魅力や色落ちについて聞くと、開口一番「レベルが違います」と言うではないか。
デンハムのすべてが詰まっていると言っても過言ではない根岸’sノート。その知識を吸収するため、彼の元へ訪れる人は後を絶たない。
「世界を見渡しても、明らかに日本デニムのクオリティは飛び抜けています。日本のデニムは何がすごいかといえば“再現性”で、’60年代のヴィンテージデニムでも忠実に再現するわけです。そのクオリティには海外のプロも舌を巻きます」。
だからこそ、デンハムでも10年以上も日本のファクトリーが作る生地を採用している。今では根岸さんも、デニムは日本製しかはかないのだとか。
もともと日本デニムの歴史は、「’60〜’70年代のアメリカのヴィンテージデニムを作りたい」との思いから始まった経緯がある。しかし、今はその逆の現象が起きているという。
「今や欧米は日本やアジアをリスペクトじゃなくて、リスタディしないと生き残れない。もうスペックが違うんですよ。日本のデニムは車で言えばロールス・ロイスなんです。
ただ、それはもう十数年も前からわかっている。だから、うちはヨーロッパのデニムブランドですけど、ずっとメイド・イン・ジャパンラインを作り続けています」。
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