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あらゆる色落ちを試して行き着いた、究極のデニムの育て方



そんな根岸さんのデニムコレクションがこちら。どれもが色落ちや風合いの良さが絶妙だ。

左から、はいてきた年数は3年、5年、8年。青味と白味のバランスが絶妙で、浮き上がったヒゲやアタリもいい塩梅である。

左から、はいてきた年数は3年、5年、8年。青味と白味のバランスが絶妙で、浮き上がったヒゲやアタリもいい塩梅。


右は、根岸さんがショップで働いていたときから愛用しているデニムで、洗濯は手洗いがメインだったが、加工の工程で“汚し”を入れているものに関しては、それを残したいために裏返しにして風呂場で踏んで洗っていたとか。

アトリエリザーブというアーティストに即興で描いてもらった一本。しかもこれをボールペンで描いたというのだから驚きである。「ソッコーで防水スプレーでコーティングしましたよ」。

アトリエリザーブというアーティストに即興で描いてもらった一本。しかもこれをボールペンで描いたというのだから驚きである。「ソッコーで防水スプレーでコーティングしましたよ」。


「重要なのは、洗い方と時季ですね。デニムは基本、冷たい水で洗うといいんですよ。日本は水がすごくいいから、苦労はしません。もっといいのは温泉で洗う方法。トラック4台分の温泉を買って洗ったことがありますが、とても綺麗に落ちました。海で洗うのもいいですけど、色が一気に落ちるので注意が必要です」。

当たり前だが、水の質によって洗濯効果もバラバラなのである。

「何カ月間も洗わず、ニオイが多少気になったら裏返してシャワーをあて、手で揉んで乾かす。それが基本の洗い方。ただ、ヴィンテージのようにしたかったら、四六時中はいたほうがいいし、洗わないほうがもっといい。でも、そうすると何本もデニムを所有してローテーションしなければいけないので、大変でしょう」。

そこで、悪戦苦闘せずとも色をいい塩梅で落とせるスゴい「裏技」があるという。



「いちばん良いのは、8カ月はいて一回畳んじゃうんです。夏の湿気があるときにはいて、汗を一回吸わせちゃう。それでしっかりたたみ、ほかのパンツの下に重ねて置いておく。そして、ゆっくり時間をかけて乾かしていく。これを“ドライプロセス”っていいます」。

すると、どんな変化が現れるのか。



「ちょっとはいて、畳んでタンスに数カ月入れておく。そして久々に取り出すと、カラッカラになって色が落ちている。だいたいみんな色を落としたいから無理してはき、状態を無視して洗っちゃいますよね。でも、洗いたいなと思ったらはかずに畳んで、タンスに仕舞うほうがいい。科学的根拠はないですが、肌で感じます」。

根岸さんの実体験に基づいているだけあり、説得力がある。

「僕の場合は、以前なら大体14カ月ほどはいて、やっと洗っていました。でも今は洗いません。6〜8カ月ぐらいで一度脱いで畳み、クローゼットへ仕舞います。それでこれだけ育ちましたからね。しみ込んだ汗や皮脂などが抜けていくんです。それが抜け切るとヴィンテージみたいな質感になっていく。いいデニムほど試す価値はありますよ」。


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