「知らないと怖いカラダのサイン」とは…… リモートワークの生活が普及して約2年。
「最近、視力が落ちてきた気がする」「目が疲れやすくなった」と感じている人も多いのではないか。だけどそれ、緑内障の恐れがあり、失明の予兆かもしれない。
「緑内障は治すことができない病気ですが、止めることはできます。だからこそ早期発見が大切なのです」。そう語る二本松眼科病院の平松 類副院長に話を聞いた。
話を聞いたのはこの人! 平松 類●二本松眼科病院で副院長を務める。眼科専門医として、これまで10万人以上の診察を行う。毎日健康情報を発信する、YouTubeチャンネル「眼科医平松類チャンネル」はチャンネル登録者10万人以上。『眼科医だけが知っている一生視力を失わない50の習慣』(SB新書)など著書も多数。
失明原因No.1。40代も侮れない緑内障
――緑内障ってどんな病気ですか?
眼圧が非常に高くなる病気です。眼圧が高まると、視神経が圧迫されてダメージを受け、視野がだんだん欠けていきます。そして末期になると、失明します。
緑内障は失明原因の第一位なんです。
――なんだか怖いですが、緑内障になったという人はあまり聞かない気がします。 それは9割の人が気付いていないからです。両目が同時に進行する白内障と違い、
緑内障は視野の欠け方に左右差があります。右目の視野で欠けている部分を、左目が補うので気付かないんです。
視野が半分以上欠けて、ようやく「ちょっとおかしいかな」「老眼かな?」と思う程度。そして末期になって、
突然視力が0.1以下になる。気付いていないだけで、40歳以上の20人に1人が緑内障といわれています。
――そんなに多いんですね……治療をしても治らないんですか? 緑内障は治すことはできません。ただし、
進行を止めることはできます。一般的には目薬で眼圧を下げるのですが、多くの人はこれで進行を止めることができます。
目薬が効かない人はレーザー治療や手術治療をします。緑内障で
早期に治療をして失明する人は稀です。
ーーどうやったら早期発見できるのでしょうか? 健康診断などで行われる眼圧検査で判明する人もたまにいますが、ほぼ発見できないので、
40歳を過ぎたら、年に1度は眼底カメラを行ってほしいですね。
ちなみに、セルフチェックもあります。
ーーどのように確認できるんですか? まずは、年間カレンダーや新聞の株価欄など、細かい文字が載ったものを用意してください。
次に、片目ずつ、紙の中央を凝視しましょう。視線を動かさない状態で、周囲の文字に欠けている部分がないかを確認してください。
欠けている部分がある場合は、早めに受診しましょう。
ちなみに車をこすることが増えたり、書類の行をうまく追えなくて疲れるというのは、実は視野が欠けていることによって起きている可能性があります。
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