「STAY YOUNG総合研究所」とは…… 健康ブームを追い風にスーパーフードが脚光を浴びている。が、選択肢が多すぎて「結局どれが正解? 」と戸惑う人も少なくないはず。
ならば言おう。「ケールで間違いない!」と。
ケールは天然のマルチサプリだ!
ケールには多くの品種が存在するが、最もポピュラーなのがコラードケールだ。丸みを帯びた柔らかい葉が特徴で、キャベツの外葉に似ている。ほかにカールした縮れた葉を持ち、苦味の少ないプチヴェールや、細長く、黒に近い緑色の葉を持つイタリア原産のカーボロネロも人気。
「近年、アメリカやヨーロッパでは、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、栄養価の高い野菜を摂ろうという気運が高まっています。
そんな中、セレブリティやヨガインストラクターといった健康意識の高い人たちの間で、ケールが改めて注目を浴びているんです」。
そう語るのはローフードマイスターであり、自身も毎日のようにケールを食べているという都田恵理子さん。日本では青汁など健康食品のイメージが強いが、欧米では家庭の食卓でもお馴染みの野菜だという。
「丸みのある濃いグリーンの葉と爽やかな苦味が特徴のケールは、
キャベツやブロッコリーの原種(※1)であるアブラナ科の野菜。歴史は古く、地中海沿岸で古代ギリシャやローマ時代から栽培されていた最古の野菜のひとつです。
ビタミン不足を補うために船に積まれていたこともあって世界中に広まり、日本には
江戸時代に伝わった(※2)といわれています」。
特筆すべきは野菜の中でも群を抜く栄養価だ。
「食物繊維をはじめ、7種類のビタミン、5種類のミネラルと抗酸化成分など57種類もの栄養素が含まれています。
それに食物繊維がレタス約2個分、ビタミンKがブロッコリー約2株分というように、栄養価も高いため、普段食べている野菜よりも効率良く栄養を摂取することが可能なんです」。
ほかにも40〜50代のオーシャンズ世代にうれしい栄養素も。
「ケールに含まれるマグネシウムは睡眠ホルモンと呼ばれ、自然な眠りを誘うメラトニンの生成にも関わるほか、血中のストレスホルモンの減少も期待できます。
また、肌の老化に影響する活性酸素を除去するポリフェノールや目の疲れを軽減するルテインも含まれています。血中の中性脂肪値を下げる働きやパワフルな抗酸化力も中高年の男性にとってのメリットです」。
コラードケール1枚にこれだけの栄養素(*)! 数ある野菜の中でケールが特に優れている点。それは栄養素が多彩で、かつ豊富な点に尽きる。ゆえに普段の食事だけでは十分に摂りにくい栄養素を実に効率良く摂取できる。
食物繊維:レタス約2個分ケールに豊富に含まれる不溶性食物繊維は便のかさや善玉菌を増やすことで腸内環境を整えてくれる。血糖値上昇の抑制や血液中のコレステロール濃度を低下させる効果もある。
カルシウム:牛乳約1カップ(200cc)分歯や骨を作る材料になるカルシウムには肌の潤いをキープしたり、肌のターンオーバーを助けたりする効果も。また、神経の緊張を緩和することで精神を安定させる働きも期待できる。
ビタミンC:グレープフルーツ約2個分“美のビタミン”と呼ばれるビタミンCは、肌のコラーゲン生成に関わり、シミの原因になるメラニンの生成を抑制する作用を持つ。風邪やアレルギーの予防にも役立つ優れた栄養素。
ビタミンK:ブロッコリー約2株分血液を凝固させるビタミンKは、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促すことで、骨密度を高める。また、コラーゲンの生成を促進するため、美肌作りにも適していると、注目されている。
(*)約200g当たりを目安にしています。大きな葉のコラードケールの場合約1枚分。
今ではオンラインショップや野菜に強い高級スーパーなど生のケールを扱う店も増えつつある。
とはいえ、まだそれほど馴染みのない野菜。それに独特の苦味も気になる。いったいどんなふうに食べるのが正解なのか?
「栄養素を最優先するなら、生で摂るのがベター。私はコールドプレスジュースやスムージー、サラダで摂ることが多いです。
ただ、苦いのが苦手な人なら、
加熱調理をしても問題ありません(※3)。食物繊維やカルシウムなどは熱にも強いうえ、熱を加えることで甘味が引き出されて苦味も和らぎます。
料理の方法はキャベツやブロッコリー感覚で。千切りにしてホットサンドやシーザーサラダに入れたり、トースターでケールチップスにしたり。
焼きそばやロールキャベツを作るときに、キャベツの代わりにケールを使うのもおすすめ。加熱調理すれば、生葉の3〜5倍の量を手軽に摂ることができます」。
現代人が不足しがちな栄養素をたっぷり、それも驚くほど効率良く摂取できるケール。再ブレイクを果たしたスーパーフードのご先祖様は、世のおじさんたちに数々のご利益をもたらしてくれるだろう。
教えてくれたのは:ローフードマイスター 都田恵理子さん●コスメブランドのPRで活躍していた2013年に体質改善を図るべく植物ベースの食生活にシフトし、ローフードマイスター(日本リビングビューティー協会)の資格を取得。カラダの内側から健康になることをテーマに健康と美容に関する商品情報を発信中。instagram@erikomiyakoda
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