「世界最高峰! 日本デニムの今」とは…… 1984年、北村信彦氏の手で立ち上げられたヒステリックグラマー。
音楽とファッションの融合を試みた東京発ブランドで、その代表的なアイテムといえばメイド・イン・ジャパンのデニムだ。
デニム好きを刺激する新作の数々
そのデニムたちは当然、今季も期待に違わぬ出来栄えだ。その顔ぶれをさっそく見ていこう。
【注目作①】WA加工ストレートデニムパンツ
4万4000円/ヒステリックグラマー 03-3478-8471
WA加工とは、“WORK AGING”加工のこと。目指したのは、作業着として使用されていたヴィンテージのデニムである。
そのため、脇セルビッジ仕様のストレートパンツは運針(織る際に仕様する針)糸の番手(太さ)や色、各所の仕様に至るまでを極力当時と足並みを揃え作られている。
生地はタテ糸にネップ糸とレギュラー糸(当時使用していたものに近づけた糸)の2種類を使い、今では日本でも数台しかないシャトル織り機によってゆっくりと織られている。
結果、まるでヴィンテージのようなオーセンティックな重厚さと、はき込んでいくほどに現れる味わい深い色落ちが堪能できる。
そんな自然な色落ちを誘発するもうひとつの要因が“染め”である。
天然インディゴ染料を使ったロープ染色で糸を丹念に染めることで、より深い色をその身に宿すのだ。そんなクラシカルなアプローチに加え、右のフロントポケット縁にあしらったスタッズも、“らしさ”を演出している。
【注目作②】KOP加工テーパードデニムパンツ
3万3000円/ヒステリックグラマー 03-3478-8471
はき込むほどに現れるアタリやヒゲ。その“いい塩梅”を表現したのがKOP加工を施したこちら。KOPとは“KNEE OIL PAINTED”のことで、膝のダメージのリメイクやオイルを飛ばしたりなど、さまざまなアレンジが施されている。
そのため、ご覧のように見た目は長い時を経てはいてきたかのような重みを感じさせるが、足を通してみるとさらなる驚きが待っている。
はき心地は実に軽快で、春夏にもピッタリ。コットンとヘンプの混紡生地で、重厚な見た目とはウラハラに、はいた感覚は実に清々しい。夏は敬遠しがちなデニムだが、これなら率先して手に取りたくなる。
その素材もまた一家言あり。
タテ糸にはアメリカのテキサス綿を採用。ヨコ糸には、その品質から“リネンのロールスロイス”とまで賞賛されるハードマン社のアイリッシュリネンをチョイスした。そのため、程良い光沢がありながらサラッとした風合いを楽しめる。
2/2