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2019.08.16

あそぶ

世界クラスの高品質テントを送り出す「ogawa」のルーツはミリタリー


連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。


ogawaロゴ

創業100年を超える、日本発信のアウトドアブランド「ogawa」。テントを中心とするプロダクトはすべて質実剛健であり、世界中から高く評価され、玄人好みと言われるブランドである。

運営するキャンパルジャパン株式会社、代表取締役CEOの伊川良雄さんにブランドの今までとこれからを伺った。

ザックやテントを日本軍に納入していた創設期


伊川さん 小川テント入社後、分社独立した小川キャンパルを経て、2016年にキャンパルジャパンのCEOに就任した伊川さん。プライベートでもキャンプを楽しむアウトドアマンである。


——「ogawa」といえば、ワールドワイドな日本のアウトドアメーカーです。その歴史と成り立ちを教えてください。

始まりは1914年、東京都京橋区八丁堀、今の中央区八丁堀に開業した「小川治兵衛商店」から。もともとは日本軍相手の商売が主で、ザックやテントを製作していました。翌年には「小川工業株式会社」に社名変更しています。

小川商店 写真提供:キャンパルジャパン株式会社


2度の大戦を経た’46年、「小川テント株式会社」を月島に設立します。ベテランキャンパーにはこちらの社名のほうが通るかもしれませんね。そのまま事業拡大を続け、分社化や統合ののち、現在の体制になりました。

カタログ 貴重な’50年代のカタログはすべて英語表記。国外マーケットが軸であった事実を示している。


——圧倒的に丈夫なテントの原点は、軍への供給があったからなんですね。

ご存知の通り、どこの国でも軍用とされる条件は厳しいもの。小さな商店が参入するには、相当な努力と工夫が必要だったでしょう。しかも、第二次大戦後はヨーロッパやアメリカの軍隊相手にビジネス。強度と居住性が認められ、ベースキャンプにogawaのテントが使われたのです。



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