愚痴の中に子供に関する情報が含まれる場合も
もう1つ、妻の話を聞く際に大事なポイントがあります。帰宅した自分に対して妻が話すことといえば、いつも自分には直接関係はない愚痴だろう、と思う男性が多いでしょうが、実は夫への大事な情報共有が含まれている場合があります。
それは主に子供に関する情報。子供の学校で起こった出来事や、その日の家での子供の様子などの報告は、きちんと聞いておいたほうがいいでしょう。
じつは、毎日毎日子供と接しているママだからこそ、子供の変化をうっかり見落とす可能性があるのです。一歩引いたところから見ているパパのほうが、話の中から子供の変化に気づけることもあるようです。
先日、ママ友の1人(子供は小1女子)からこんな話を聞きました。
「ある日学校から帰ってくると、娘は『お腹が痛い』と言い出したんですが、その後治ったり痛くなったりを繰り返していて、はっきりしない。習い事をサボりたいだけだろうと思っていたんです。このことの一部始終を夫に話したところ、『ひょっとして便秘じゃない?』と気づきました。
子供なので、お腹が張っているということをうまく表現できずに『痛い』と言ってしまっていたようなのですが、私は、時間通りに習い事に送っていかなければ……ということにばかり気を取られていて。習い事を休ませておいて良かったなと思うと同時に、冷静にならないといけないな……と改めて思いました」。
このように、子供に関する話には、大した話ではないと思っても、パパが耳を傾けることでママが1人では気づけなかったことを解決に導ける可能性があったりします。ついつい思い込みで判断してしまうこともありますからね。
夫婦は、結婚して何年も経つと「もはや空気のような存在だ」などと言いますが、やはりコミュニケーションを取らないと、お互いに考えは伝わらない気がします(自分自身の反省も込めて……)。
そういった意味でも、毎日5分でもいいので、妻の雑談や愚痴に耳を傾けたり、あるいは、お互いに「どうでもいい話」をあえてする時間を作ってみるのもいいかもしれませんね。ちなみに、我が家では最近、夫婦2人で出かける機会をたまに作るようにしていて、これもおすすめです。
相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、小1の娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。
MIYU=イラスト ネオ・マーケティング=アンケート協力 ※調査対象:35〜45歳、子持ちの既婚男性200人