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逃げたからこそ得られた生活。大自然と笑顔に囲まれて暮らす建築士
連載「37.5歳の人生スナップ」もうすぐ人生の折り返し地点、自分なりに踠いて生き抜いてきた。しかし、このままでいいのかと立ち止まりたくなることもある。この連載は、ユニークなライフスタイルを選んだ、男たちを描くルポルタージュ。鬱屈した思いを抱えているなら、彼らの生活・考えを覗いてみてほしい。生き方のヒントが見つかるはずだ。
「37.5歳の人生スナップ」を最初から読む 木のぬくもりが感じられる家での理想の暮らし
東京からアクアラインを通って、車で2時間。目の前の景色が一面の緑に移り変わっていく。車1台がなんとか通れる細い小道を走り抜けると、四方を木々に囲まれた木造の家が現れた。鳥のさえずりが響きわたり、蝶や虫が自由に庭を飛び交っている。
平井将司さん(40歳)は一級建築士だ。千葉県南部、房総半島のほぼ中央に位置する君津市で、憧れだったという田舎暮らしと仕事を両立させている。
前のオーナーがセルフビルドで造ったという唯一無二の家は、木のぬくもりが感じられ、そこへさらに平井さん自身が手を加えることで、妻と息子、家族3人で暮らすための理想の家が完成した。
「床を貼ったり、ウッドデッキ作ったり、薪棚(薪を収納しておく収納棚)もたくさん作ったなあ……。ここに来て以降、常に何かを作っています。庭の家庭菜園も妻のおかげで充実しているし、田んぼも借りているので、ナスやキュウリ、トマトとか、普段食べるための野菜には困りません」。
ずっと東京で生活していた平井さんが縁もゆかりもない君津市への移住を決めたのは、「直感」だったという。そこにはいったい、どんなストーリーがあったのだろう。
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