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週末だけ熱海に住み始めたら憂鬱な月曜日の朝まで一変




大学卒業後、大手不動産グループのマンション管理会社に就職。マンション管理は、水漏れ、騒音、住人同士のトラブルなどが絶えず、それらの処理にいつも忙殺された。

会社員として、決められた業務をこなす毎日。一方、友人たちは地方で生き生きとした日々を送っている。うらやましく思った三好さんは、東京から2時間圏内にある長野や葉山などに移住した友人たちを訪問し、彼らの生活をリサーチすることから始めた。

とはいえ、このときは「仕事をやめる気はまったくなかった」と苦笑いする。

「僕は、根っからのサラリーマンでした。地方移住への憧れの気持ちを持ちながらも、実際に移住する勇気も仕事をやめる潔さもなかったんです。このときは週末だけ地方に住むのっていいな、くらいに考えていました」。

そんなとき、たまたま熱海で「空き家再生」などの街づくりプロジェクトを行う人との出会いがあった。それが2012年。今から約6年前のことだった。

「熱海なら東京まで1時間半弱で行ける。そこで、とりあえず休日を熱海で過ごし、月曜日に新幹線で会社に出勤する生活から始めました。熱海だったら、通える距離かなと思って……」。

会社は赤坂。朝7時44分、熱海発の新幹線に乗れば、8時50分ごろには赤坂に着く。しかも、熱海は始発駅なので、座ったまま移動することが可能だ。週末を熱海で過ごすことで、憂鬱だった月曜日の朝も一変した。



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