ケース3:中村さん「育児休暇を分割で取得して、仕事に支障をきたさないように」
最後に話を聞いた中村さん(45歳)は、育児休業ではなく、育児休暇を複数回に分けて取得したオトーチャンだ。育児休業のように国からの給付金が受け取れるわけでないが、子供のために休暇をとれる制度を整えている企業が少しずつながら増えている。
「勤務先で通常5日間なのに、2018年5月末までなら10日間取得できる『育児休暇取得促進活動』を行っていたんです。人事部から月1回くらいのペースでリマインドされるという徹底ぶりで、上長からも取得するよう助言があって育児休暇に踏み切りました」。
とはいえ、取得は思ったよりも簡単ではなかったそうだ。
「ちょうど抱えている仕事が佳境を迎えていたこともあり、順調に取得することができませんでした。最終的に人事部に交渉して2018年6月までに分割で取得することになり、5月の時点で3日取得。残り7日を6月末までに取得する予定です」。
育児休暇と聞くと一定の期間にまとめて休みを取得するイメージが強いが、仕事の進捗次第では分割で取得するのも手。これなら仕事と育児を両立するのもハードルが下がりそうだ。
ちなみに、育児休暇を取得することで奥さんの苦労がわかったと中村さんは話す。
「生まれたての子の育児だけでなく、上のお兄ちゃんの幼稚園への送迎や外遊び、そして家事のお手伝いなどもしました。妻の日常を体験することでその苦労を知り、それからはもう文句が言えなくなりましたね(笑)」。
育児休業・育児休暇中の過ごし方はそれぞれ異なるが、ネガティブなコメントは見られなかった。それよりも妻や子供とじっくり過ごす時間がとれたことで、人生を見つめ直す機会になったり、関係を深める良いきっかけになったようだ。
これから育休の取得を考えているオトーチャンは、ぜひ参考に!
村上広大(EditReal)=取材・文
【参考データ】
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厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査(速報)」