ハワイでサーフィン ●旅先(=非日常)で得るインプットは日常のアウトプットに大きな影響を与える。1981年生まれ、一児の父、オーシャンズ世代ど真ん中のトラベルエディター伊澤慶一さんは、だから今日も旅に出る。久々の「度々、旅。」は、ハワイでサーフィンデビューのススメ!
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途切れることのない波はフリーライドだし、波乗り後にはサーフ飯をチャージ、そしてビーチでサンセットを眺める。お金をかけなくても最高に楽しいハワイがそこにはある。
世界中のサーファーにとってハワイは憧れの地。これ以上、贅沢な環境はない。未経験者でも大丈夫。だって僕のサーフィンデビューもハワイだったから。
さて、まずはサーフィンデビューの前に、先にぜひ訪れてほしいスポットをご紹介。オアフ島北部のノースショアだ。
ノースショアには、ハレイワというレトロで可愛らしいローカルタウンがあり、観光客に人気のスポットになっている。と同時に、世界中のサーファーにとって、このノースショアの海岸線は特別な場所でもある。
その理由は、冬場に押し寄せるビッグウェーブに他ならない。
ビッグウェーブはハワイの冬の風物詩
冬のハワイの風物詩といえばノースショアのビッグウェーブ。
ノースショアには冬の間、10フィート(約4m)を超える大波が押し寄せる。実はこの波、はるか彼方の日本で生まれたメイド・イン・ジャパンということはあまり知られていない。
冬に日本列島の東側に発生する低気圧がノースショアの大波の源で、吹き下ろされた風が海面を揺らし、うねり(スウェル)が生じる。
日本とハワイは約6000km離れているが、途中に遮る島がないため、この「うねり」の勢いは衰えることなく、ハワイに到達。そしてノースショアの浅くなった海底にぶつかり、ビッグウェーブを生み出す。
この写真は12月のノースショア。今日もいい波だったなぁ。
世界でも屈指の好環境とあって、ノースショアでの波乗りは世界中のサーファーの憧れ。ちなみに、僕も一度だけノースショアでサーフィンしたことがあるが、夏場だったので2フィート程度の穏やかな波しか立っておらず、安全に楽しむことができた。
ここのビーチは、夏と冬でまったく違う顔を見せる。間違っても冬のノースショアでレッスンもなしにサーフィンデビューしてはいけない。そこには、命の危険があるほどの大波が待ち受けている。
そんなノースショアで、波がいちばん高いシーズンに行われるサーフィンの大会がある。それが、トリプル・クラウン(正式名称Vans Triple Crown of Surfing)だ。
11月の中旬から12月中旬にかけて行われる3つの大会の総称で、ハレイワの「Hawaiian Pro」、サンセットビーチの「Vans World Cup」、パイプラインの「Billabong Pipe Masters」のことを指す。
こちらはパイプラインの「Billabong Pipe Masters」の会場。
大会は有料の観覧席もあるが、ビーチで座ってみるだけなら無料。今回、僕が滞在している期間中に「Billabong Pipe Masters」が開催されていたので、そちらのレポートを予定していたが、あいにくこの日のパイプラインはコンデション不良で大会は翌日以降に順延。
もし開催されていれば、以下のような熱気あふれる会場と、プロサーファーの美技を目の前で見ることができただけに残念……。
大会を見守る人々。ローカルもこぞって見に来る。 Photo by Keoki Saguibo/WSL
これぞ世界が憧れる聖地のビッグウェーブ。 Photo by Keoki Saguibo/WSL
とはいえ、これはハワイのサーフィンの大会ではよくあること。すぐに気を取り直す。もちろん、大会が開催されなくても、ノースショアを訪れる価値は十分にある。
なぜなら、ここはサーフタウンとして文化が根付いた土地である。
サーフィンに適したビーチが多いのはもちろん、ボードやアパレルなどサーフィンに必要な買い物ができるお店も多数。それに、サーフをモチーフにしたアート活動を行うアーティストたちも数多く暮らしていて、その雰囲気を垣間見ることができる。
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