特別な感動がある全国の花火大会5選、お好み別に

花火はやっぱり押しも押されもしない夏の風物詩。地元で「たまーやー」もいいけど、「すげーなー」ってのも一発は見ておかないと、夏は終われない。

大阪で行われている「泉州 光と音の夢花火」の花火。

全国には実にいろいろな花火大会がある。ド迫力のメジャーな花火大会から、都心では見られない変わり種まで、そのスタイルは全国津々浦々でバラエティに富んでいる。例えばこんな花火大会とかね。

 

①日本一の花火名人は何を打ち上げる？
静岡県「全国花火名人選抜競技大会　ふくろい 遠州の花火2019」

いろいろ経験を重ねて思う。それは職人技の魅力はいつの時代も色褪せない、と。思えば、『料理の鉄人』や『TVチャンピオン』を見て「すげー！」と感嘆した子供時代を過ごしてきた大人も少なくないはず。その感動を再び味わってみよう。

「ふくろい 遠州の花火」には、全国各地から腕に覚えのある花火名人が一堂に介する。いわば「花火界の天下一武道会」。職人たちの誇りと威信をかけた国内最高峰の闘いなのである。



構成は「創作逸品花火の部」と、優勝者に文部科学大臣賞が授与される「8号玉2発とスターマイン」の2部門。「8号玉2発とスターマインの部」では、8号玉2発（種類別課題玉1発・種類別自由玉1発）を打ち上げたあと、スターマイン1基を音楽に併せて2分以内で打ち上げる。

音との共演により夜空に描かれる花火の迫力や美しさたるやもう感涙もの。さあ、今年の栄冠はいったい誰の手に！

 

②伝統芸能を花火とともに味わう
茨城県「綱火 小張松下流・高岡流」

あやつり人形と仕掛け花火の共演。美しい日本の伝統芸能、ここにあり！

国内最大級の打ち上げ数や来場者数を誇るわけではない。いわば、地元民に愛されるお祭りのなかで、長く継承されてきた由緒正しき催しである。しかし、そこに日本が誇る伝統芸能の美しさを見ることができる。



「綱火」と聞いてピンと来た人は相当の歴史男子。茨城県つくばみらい市に伝わる民俗芸能で、仕掛け花火をつけた人形をあやつりながら芝居を行い、クライマックスではその花火が一斉に開くという催し物である。古くから国の重要無形民俗文化財に指定され、大切に継承されてきた。



流派は、小張松下流と高岡流の2つで、それぞれ起源や演目の内容、披露する日付も異なるが、まるで浄瑠璃のような人形の精巧な動きとそれを操る職人たちの技、さらにはクライマックスの花火が醸す荘厳な雰囲気には、花火の美しさと日本の伝統芸能の素晴らしさが凝縮されている。