「習慣化」しやすいデオドラントを選ぼう!
とはいえ、習慣化できなければにおい対策の意味がありません。そこで、自分が習慣化しやすいタイプのデオドラントを選びましょう。使い捨ての制汗シートのみならず、スプレー式やロールオン式など、さまざまなタイプがあります。
私はスプレー式が性に合いますが、目立つので外出先では使っていません。そこで、今年はスティック状の固形粉末デオドラントを試しています。個人的感想になってしまいますが、塗っても脇が湿らない固形粉末タイプは私にピッタリでした。
ワイシャツの第3ボタンを開けて隙間に手を入れ拭うことで、体の動きをコンパクトに抑えられるので、手早くケアすることができます。
「速乾機能の肌着」と「デオドラントの習慣化」を意識し、菌に分解される前に汗を拭うのが、効果的なにおい対策です。ただし、体臭はクリアしても、服の生乾き臭で損をするワケにもいきません。梅雨が終わっても油断は禁物です。ゲリラ豪雨など、雨で濡れてしまった後のケアが大切なのです。
出張先でゲリラ豪雨、突然の雨で濡れてしまった衣服を乾かす工夫が3つあります。生乾きの原因は空気中に漂うカビ菌だといわれています。カビ菌に侵食される前に完全に乾かすことができれば、衣服の生乾き臭を心配する必要はありません。
まずは、サマージャケット。ジャケットをクローゼットに入れず、風通しがいい部屋でハンガーに掛けることは当然ですが、このときバスタオルをハンガーとジャケットの間に挟みましょう。ジャケットの生地裏からも水分を吸うので乾かしやすいのです。
次に、革靴。新聞紙を詰め、靴の内部を乾かすことも重要ですが、底面のケアも忘れてはいけません。爪先を壁に立てかけ、革靴が倒れないようかかとで支えます。こうすることで底面が空気に触れるので全体を乾かしやすいのです。
最後に、スラックス。パンツ用ハンガーを2つ用いて、はいている状態同様、胴回りに空間をつくります。こうすることでドライヤーを使わずとも乾かしやすく、スラックスの生乾き臭対策になるのです。シワ取りのメンテナンスとは別に、濡れたときのメンテナンスが必要です。ドライヤーで乾かすことは簡単ですが、面倒くさいとともに生地を傷めるリスクがあります。だからこそ、出張先でも簡単にできる根本的な乾かし方が役立ちます。
香水もスメル・ハラスメント!?
私は職業柄、ビジネスマンの買い物に同行し、においに関する相談もたくさん受けてきました。そこで、必ず挙がるのが「お薦めの香水はどれですか?」という質問です。ただ、香水は好き・嫌いが分かれるため、基本的にビジネスシーンではお薦めしていません。
根本的に、「汗のにおいを強い香水でかぶせる」という対策は残念ながら効果的ではありません。なぜなら、強い香水の匂いで、汗のにおいをごまかそうとしても、混ざってしまうからです。結果、人を不快にさせる臭いに化けてしまう可能性が高いのです。そういう意味では、「汗のにおい」と「生乾き臭」、根本的なにおい対策を実践することでスマートに過ごせることでしょう。
森井良行:ビジネスマンのためのスタイリスト
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