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【理由②】
タップダンスは体幹を鍛える全身運動でもある


タップダンスといえば、軽やかな足さばきが特徴的だ。足に注目がいくため下半身中心の運動と思われがちだが、実際は身体全体を使っているのだ。それは、タップシューズを履いて最初に音を鳴らした瞬間にわかる。

レッスン風景 靴を履いてまず取り組むのが「音を鳴らす」こと。タップスのある両足のつま先とかかと、それぞれのパーツを床にタップして音の大きさや質を確かめていく。


レッスン風景 想像以上に身体を使うのがかかとのステップ。写真のように、両足のかかとだけで立つだけでも相当な体幹を使う。しっかり腰を据えてステップを踏まないと、軽やかな音が鳴らないのだ。


「初心者の方は足先に集中してしまいがちですが、ステップを踏むときに大切なのは、お腹のあたりの自分の中心(丹田部分)をより意識して、腰をしっかり安定させることです。右足、左足に重心が移動することで、さまざまな音のトーンやリズムのダイナミクスを変化させていきます。体重の移動、バランスがすべてといっても良いかもしれませんね。このような意識を持つことで、日常的な生活の中でのリズムもより楽しくなっていくはずです!」(熊谷さん)

足先だけを動かすと、「スカ~」という頼りない音しか出ない。ステップを踏むときはしっかり膝を持ち上げてから床を叩きつけないと、タップ独特の「パンッ」という軽やかな音が鳴らないのだ。

さらに、足をフラットに踏みつけるのは比較的簡単だが、その動きをつま先だけ、かかとだけ、といった具合にパーツごとに行う場合は、身体のバランスが必要になってくる。そう、これは「体幹トレーニング」である。

腹筋、背筋、さらには、キレイな姿勢をキープしないと、軽やかな音を安定して出し続けることができない。筆者も、シンプルなステップを数分踊っただけで大量の汗が出てきた。かなり全身を使う運動である。

また、タップダンスは身体表現としてのダンスでもある。タップ=叩くという動きだけでなく、腕や体躯をダイナミックに動かし、全身で音楽を体現。ポージングや一連の動きや所作の美しさなど、音楽に合わせて表現を楽しむ要素も持っているのである。

熊谷さん

熊谷さん

熊谷さん レッスンの合間に熊谷さんが見せてくれる、巧みなステップと身体全体で表現するダイナミックな動きに目を奪われてしまう。タップダンスは楽器であると同時に、自己表現によるアートなのだと感じる瞬間だ。


1回1時間のレッスンだけでも相当な運動量である。リズム感を養いながら全身エクササイズができる、しかも体幹が鍛えられ、日常生活でも姿勢や歩き方などに良い影響を及ぼすことも考えられる。習慣化できれば、相当に健康的な生活になりそうだ。



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