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2019.08.04

あそぶ

【海外編】夏休み中にトライする!? 山男・大石学のベストマウンテン3選


いよいよ夏本番。長かった梅雨の影響もあって、外で遊びたい欲は最高潮。ってことで、今年はどこで、何して遊ぶ? オーシャンズがオススメする「夏休み満喫ガイド」。


オーシャンズ看板モデルのひとりで、生粋の山男・大石学さん。前回の【国内編】では、学さんが山を愛する理由と彼のオススメする「日本のベストマウンテン3選」を聞いた。

今回は428日にも及ぶ世界一周の旅を経て出合った、大石学がオススメする「世界のベストマウンテン3選」をお聞きしよう。

大石 学的ベスト③
フィッツロイ(アルゼンチン)




アルゼンチン南部のパタゴニア地方にあり、アウトドアブランド「パタゴニア」のロゴマークのモチーフになったことでも有名なフィッツロイ。氷河に削り取られたと言われ、天空を突き刺すように堂々とそびえ立つ険しい山頂が、数多くのクライマーやトレッカーを魅了してきた。

「まずは最寄りの町から1泊2日かけて、目の前にフィッツロイを見上げられる場所まで行くんです。テントを持って。麓についたらそこで1泊して、翌朝まだ暗いうちに出発して、少し登ったところにある、とあるスポットに向かうんです」。

「まだ暗いうち」の景色も何とも神秘的。で、とあるスポットとは?



「行先は『ラグーナ デ ロストレス』というところです。標高1170mくらいのところにある氷河湖なんですけど、そこからは朝日に照らされるフィッツロイが一望できるんですよ」。



「この景色、本当に感動的ですよ!」と、ひとつ目にして既に興奮を隠せない学さん。確かにこれはすごそうだ! こちらはフィッツロイをバックにパシャリ。このモサモサのヒゲもよく似合う



「パタゴニア」「フィッツロイ」というからには、見た目どおり何人も寄せ付けないような険しい山登りの話が飛び出てくるのかと思いきや、実はちゃんとトレッキングルートが整備されているのだそう。



急な登り坂や、多少の難所はあるようだが、特別な技術や体力は必要とせず、健康な人なら誰でも歩けるというのだから、なんとも魅力的ではないか!

 

大石 学的ベスト②
アンナプルナ(ネパール)




「2位はネパール・ヒマラヤのアンナプルナですね! ヒマラヤにはエベレストルート、アンナプルルート、ランタンルートという3大ルートと呼ばれるトレッキングコースがあるんです。それぞれのルートで異なる景色を堪能したくて、2017年にガイドをつけずにひとりでアンナプルルートを歩いたんです」。

【国内編】でも「歩くこと自体が好きになったきっかけ」と語っていたが、ヒマラヤといえばごく一部の限られた登山家だけが足を踏み入れる、挑戦者の登頂を心なく阻む神々の山、というイメージがある。とてつもない雪と断崖絶壁の数々。命知らずの登山家が死線を楽しむような場所なのでは……?



「確かに、アンナプルナのベースキャンプまで、個人差はありますが4日ほどかかりますし、道はアップダウンも激しくて結構大変です。でも地元民の生活道なので、ある程度整備されていて歩きやすいですよ。例えばこんな感じですね」。



「目指す先は7000~8000m級の峰が見渡せるベースキャンプです。これが絶景なんですよ」。

ベースキャンプ到着目前。


アンナプルナはサンスクリット語で「豊穣の女神」という意味で、その名のとおり麓には素朴な山村の風景が広がり、豊かな緑が生い茂る。歩くにあたり危険なポイントはほぼなく、しっかり準備さえしておけば誰でも楽しめるトレッキングエリアだという。



「実はここが僕がトレッキングにハマったきっかけで、特にベースキャンプから180度見渡す険しいヒマラヤの雪山が圧巻なんです!」。

標高3300mあたりからは徐々に荒涼としたトレイルへと変わっていき、標高4130mのアンナプルナベースキャンプにつく頃には冷たい雪山の表情となるという。そうして到着したベースキャンプ、標高世界10位のアンナプルナ峰(標高:8091m)を始め、鋭く切り立った高峰の圧倒的な絶景に四方を囲まれ、言葉を失う。



確かにこんな世界を生で見たら、考え方や価値観すら変わりそうだ。

 

大石 学的ベスト①
ヒマラヤ(ネパール)




「1位は何といっても今年の正月に登ったネパール・ヒマラヤのランタンです! 僕が歩いたのは『ランタン・コーラ』という川沿いを歩くルートで、ヒマラヤ3大ルートのなかで一番マイナーな道なんですが、ランタンは『世界でもっとも美しい谷』と称される場所で、絶景を眺めつつ、川の音を聞きながら気持ちよく歩けます」。



ヒマラヤの3大ルートのなかで最も有名で、観光客にも人気なエベレストルートと比べると「ちょっと地味」だそうだが、アンナプルナルートのときと同じく、「そこからしか見られない景色がある」のだという。



「ここは中国との国境の近くで、チベット人が多く住む村々が各所に点在しているんですが、人はとても親しみやすくて、小屋も気持ちよく滞在することができるんですよ」。



チベット国境付近、ランタンルートの出発地点とされるシャブルベシというチベット民族が住む標高1400m程度の村をスタートし、3日でヒマラヤの姿が見えてくるランタンビレッジへ。さらに1日ほどかけてランタンルートの実質的なゴール地点とされるキャンジンゴンパへ到着。標高は富士山の山頂よりも高い3860m、出発から4日目に到着したこの地域からは、7000m級の名峰を望める。



「ほとんどのトレッカーがそこで引き返すんですが、奥地へ歩く道があったんです。そんな道は誰も行かないって言われましたが、そう言われると行きたくなっちゃうんですよね。で、進んでみると実はその道がもう最高なんです! 一般的な観光ではまず行かない場所とあって情報はほとんどなかったんですが、見渡す限り続くヒマラヤをずっと眺めながら歩くことができて、本当に楽しかった!」。



学さんのランタントレッキングのより詳しい道程はコチラの記事を参考に。

これまで世界中の山々に足を運んでき学さんは、時間さえあれば誰でも「これまで経験したことのない感動が味わえる!」と言う。もしこの夏、少しでも時間がつくれそうなら、ぜひチャレンジの検討を!

 

大石 学=写真 谷澤修太朗=文

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