「冷奴」で補う、体の水分「津液」
男 で、初手の料理は“なんで”冷奴にしたの?
ママ 豆腐はね、関節痛や疲れにいいの。こういう運動機能系のトラブルはね、
「津液(しんえき)」っていって体を構成するリンパ液や筋肉、血液などの水分が不足していると起こりやすい。足がつったりするのもそう。それを補うってわけ。
<今晩の薬膳用語①> 津液(しんえき)=細胞液や内臓に含まれる体液成分、関節液やリンパ液など。鼻水や涙、唾液なども含まれる。 |
男 何? 俺、水分足りなかったの? あんなに冷コー飲んでたのに?
ママ バカねぇ、水分ならなんでもいいってことじゃないわよ。
「生津滋陰(せいしんじいん)」といって、津液を生じさせて、それを補う効果のある食材で体の中から潤わさなきゃダメなのよ。さらに言うと、津液不足は夏バテや不眠を起こすし、結果的にはイライラやストレスの原因にもなるわけ。
<今晩の薬膳用語②> 生津(せいしん)=津液を生じさせて体内を潤す作用のこと。 |
男 そっか、だから俺、あんなに若者に毒づいてたのか。
ママ それもあるんじゃない? 奥さんや子供にもキツく当たってない?
男 ……昨日喧嘩した。30年来取っておいたビックリマンシールを全部捨てられたから、嫁に。
ママ それは、どっちもどっちじゃない?
男 いやいや、嫁が悪い、あれは。
ママ まぁまぁ。で、
その働きを補佐するのが、山芋とクコの実というわけ。この2つには
「滋陰」の効果があって、豆腐の「生津」効果をサポートしてくれるの。いわば「津液」など体内の水分を
バリアする働きっていうのかな。
<今晩の薬膳用語③> 滋陰(じいん)=肌や体内の乾燥を改善し、「津液」を補い、体に潤いをもたらす効果のこと。 |
男 ママ、思い出し怒りしてきたんだけど。
ママ ごめん、一回ビックリマンは忘れて(笑)。そうそう、山芋ね。
山芋は、実は男性にいちばんいい食べ物で、
精力減退に対してもパワーを与えてくれるの。毎日50gずつくらいで本当に効く。踏ん張りが効くようになるっていうのかな。
男 クコの実は何がいいの?
ママ 今のあなたにぴったりじゃない?
男 なんで?
ママ 老眼でしょ?
「明目(めいもく)」といって目にもいいのよ、クコの実は。
<今晩の薬膳用語④> 明目(めいもく)=目の働きを改善させる効果のこと。老眼やかすみ目、疲れ目などにも作用。 |
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