夏の足元といえばサンダル。そこに疑義を挟むわけではない(むしろ早く履きたい)が、時と場合によっては、オフのシーンでも「遠慮しておこうかな」というオケージョンはたくさんある。例えばクラシックのコンサート、上品なレストランとか。
しかしながらこの2足は、それぞれが持つスペシャルな個性によって十分に免罪符たり得る存在になると思う。
[上]ジョンロブイギリスが誇る紳士靴の最高峰、ジョンロブのサンダルのニューモデル。靴好きならピンとくるかも。そう、ブランドのアイコンともいえるダブルモンクストラップ「ウィリアム」のスタイルを踏襲しているのである。その気品と風格によって、サンダル以上のエレガンスを醸し出すというわけ。
素材はジョンロブの代名詞といえる「ミュージアムカーフ」。傷ひとつないしっとりとしたこの革こそ、究極のクオリティの証明である。フットベッド、アウトソールもハイクオリティなレザー。まさにサンダルを超えるサンダルである。
[下]ヴァレンティノ ガラヴァーニヴァレンティノ ガラヴァーニのもの。サイドに「VLTN」のレタリングをあしらった1足だ。実はこちら、我々が大好きなビルケンシュトックとのコラボでもある。つまり見た目も履き心地も抜群。街歩きの、あらゆるシーンでの活躍を約束する。
ベースとなるのはビルケンシュトックの究極の定番モデル「アリゾナ」。素材はツヤのある上質なカーフスキン。ちなみにもう1型、「ルージュピュール」と呼ばれるレッドカラーが目を引く、レタリングなしのモデルも用意されている。
気遣いのできる大人だからこそ、「サンダル履きのオケージョン」に頭を巡らせてしまう夏。しかしながらこの究極の免罪符たり得る2足があれば、その物思いは露と消える。素足で良し、ソックスを履いてもまた良し。免罪符を手に入れたなら、その装いにのみ頭を巡らせていただきたい。
清水健吾=写真 柴山陽平=スタイリング 加瀬友重=文