テキーラで夏の初体験●もしもあなたが、テキーラを罰ゲームの酒だと思っていたらまだまだ若輩。テキーラは世界を夢中にする今いちばんHOTな酒なのだ。多くの日本人が知らないテキーラのディープな魅力。クッとアツい酒の初体験をテキーラで!
「そもそもテキーラというとどんな飲み方を思い浮かべますか?」と話すのは、世界有数の品揃えを誇るテキーラバー『AGAVE(アガヴェ)』でバーテンダーを務める佐々木宗彦さん。
佐々木宗彦さん 「アガヴェ」のマネージャー兼バーテンダー。テキーラに魅せられて20年余り。現地の蒸留所やバーを訪れるなど、テキーラに関する博覧強記ぶりは業界でも知られている。テキーラカクテルのレシピは本場メキシコ仕込みで絶品。趣味は愛車のハーレーダヴィッドソンでのツーリング。 |
ん〜……そうですね、アメリカの映画なんかじゃ、「ライムをかじってショットグラスで一気飲み」というシーンをよく見かけますが……。
「それはテキーラの本場・メキシコの伝統的な飲み方です。ライムに含まれるビタミンCが喉を守ってくれたり、悪酔いを防いだりすると言われています。でも、テキーラはやはりカクテルにしても美味い。にもかかわらず、日本で知られているのは“マルガリータ”くらいのもの。そこで今回は本場メキシコの代表的なテキーラカクテルを味わっていただきます」。
プレミアムテキーラの風味が際立つ「アガベハイボール」
まずは「アガベハイボール」。つまり、ソーダで割っただけのシンプルなカクテルだ。プレミアムテキーラの素材の味が炭酸でよりいっそう引き立つ。そしてジンやウォッカとはひと味違うアガベのほんのり上品な甘みがたまらない。
うーん、やっぱり夏はシュワシュワに限る。ハイボール好きはもちろん、このスッキリ飲める感じは女性にもウケるはずだ。
「プレミアムテキーラを使うと、アガベの風味がいっそう際立ちます。テキーラとソーダの割合は1 :2.5~3。やや濃い目にするのがオススメです」。
グレープフルーツを使ったメキシコの定番カクテル「パロマ」
「続いて、メキシコでも人気の高いパロマです」。
こちらもシンプル。グラスに氷とグレープフルーツジュースを入れて混ぜ、そのうえからソーダを適量加える。これも間違いない美味さ! グレープフルーツの爽やかな酸味とテキーラのほんのりとした甘みが見事に調和している。
「本場では、パロマはメキシコで売られているグレープフルーツ味の炭酸ジュース『スクワート』で割ったカクテルのことを指します。ビターなグレープフルーツがテキーラの甘みを引き立てるんですね。自宅で作るなら、『メッツ』のグレープフルーツ味で代用すると近いカクテルが完成しますので、ぜひお試しください」。
夏の人気メニュー、テキーラ版モヒート「アガベジュレップ」
「モヒートがお好きなら、このアガベジュレップもお気に入っていただけるかと」。
モヒートにはラムが使われるが、アガベジュレップにはラムの代わりにテキーラが使われる。フレッシュなライムの酸味とぎっしり入ったミントの爽やかな香り、そしてプレミアムテキーラの上品な甘みが渾然一体に。
蒸し暑い夏の夜はこの一杯で気分爽快! モヒート好きにもぜひ一度味わってほしい一杯だ。
伝統のサングリータを使った「バンピロ」
次は日本であまり知られていないバンピロというカクテル。バンピロとはスペイン語で「吸血鬼」の意味だという。たしかに色は赤い。味はこれまでのカクテルとは一転、スパイシーな味わいと濃厚な旨味が印象的だ。ブラッディマリーみたい!
「メキシコにはサングリータという伝統的なテキーラのチェイサーがあります。トマトジュースやオレンジジュースをベースにハラペーニョやタバスコ、塩、コショウなどで味付けしたもの。これでテキーラを割って飲むと、びっくりするほど美味しいんです」。
フルーツの甘みが凝縮された「フローズンフルーツマルガリータ」
テキーラカクテルの王様といえば、なんといっても「マルガリータ」。「アガヴェ」では、このマルガリータを進化させた「フローズンフルーツマルガリータ」が大人気。
「プレーンのフローズンマルガリータは、テキーラにホワイトキュラソー、ライムジュース、クラッシュアイスをミキサーに入れて攪拌します。うちではここにキウイやパイナップル、スイカ、メロンといった季節のフルーツを凍らせたものをたくさん入れて、フローズンフルーツマルガリータにするんです」。
カウンターに置かれた瞬間、マルガリータグラスから立ち上るトロピカルな香りですでにKO寸前。口に含むと、シャリシャリとしたフローズンの舌触りが心地いい。そして新鮮かつ濃厚なフルーツの甘みが口いっぱいに……まさに天国!
「季節によってフルーツが変わるので、店に来るたびに違う味を楽しめます」。
ストレートで飲んでもよし、カクテルにしてもよし。そして男ゴコロをくすぐるウンチクが詰まったテキーラ・カルチャー。じつは近年、日本はテキーラ消費国の上位にランクインするなど、すでに国内でもブームに火が点きつつある。
さあ、乗り遅れるな。今宵はプレミアムテキーラで乾杯だ!
[取材協力] 「AGAVE(アガヴェ)」 住所:東京都港区六本木7-18-11 DMビル B1F 電話:03-3497-0229 営業:18:30~25:30LO(金、土曜27:30LO) 日・月曜、祝日定休 押条良太(押条事務所)=取材・文